都市開発シム『Cities: Skylines II』にて「捨て犬爆増」問題発生。どんどん増える野犬集団、「無からゴミ誕生」問題とあわせて開発チームにより調査中
デベロッパーのColossal OrderにてCEOを務めるMariina Hallikainen氏は11月1日、『Cities: Skylines II』公式フォーラム上に声明を投稿。「捨て犬」問題などを含め、本作で報告されているさまざまな問題について調査・対処中であることを明かした。
『Cities: Skylines II』は、高い評価を得た都市開発シミュレーションゲーム『Cities: Skylines(シティーズ:スカイライン)』の続編だ。プレイヤーは居住区やインフラなどを整備し、さらに産業を活性化させながら街を一から建設。市民の生活や経済などが複雑にシミュレーションされ、それらのニーズや状況変化に対応しながら街を発展させていく。
本作は発売前に「目標とするベンチマークに達しないまま」リリースされることが告知されていた。結果として本作は最適化不足という課題を抱えたままのスタートとなり、発売後にはパフォーマンス問題を中心に報告が寄せられている。
そうした状況を受けて、Colossal OrderのCEOを務めるMariina Hallikainen氏は、透明性を確保するためスタジオの取り組みや計画を公式フォーラム上で毎週明かしていくことを表明。同スタジオが前作にて2016年から2018年にかけておこなっていた「Word of the Week」という取り組みが復活するかたちだ。
復活後第1回となるWord of the Weekでは、スタジオが現在取り組んでいる問題などについて明かされた。開発チームは公式フォーラムで報告されている問題を精査しており、緊急性の高い問題から修正していくという。そして、そのなかではゲーム中の「捨て犬問題」についても対処中であることが示されている。
公式フォーラム上では、複数のユーザーにより本作の都市における捨て犬問題が報告されている。たとえばあるユーザーは、バス停に犬が置き去りにされる問題を報告。ユーザーによると、バスに乗る飼い主に犬たちがついていくはずが、バス停で立ち尽くす事態に陥るという。添付されている上記スクリーンショットを見るに、結果としてバス停には無数の犬がたむろしてしまうようだ。
また別のユーザーは、公園内に飼い主のいない犬たちが集まっていると報告。上記スクリーンショットを見ると、人のいない公園を犬たちが占拠していることがわかる。またあるユーザーは、そうした状況に陥った犬は家族を示すステータスから飼い主(owner)の記載がなくなると報告。つまり仕様か不具合かは不明ながら、ゲームシステム上も野犬扱いとなるようだ。さらに野犬集団が占拠する場所をマップ上から削除しても、犬たちは消えることなく道端で生活を始めるだけであったという。そのため野犬発生に根本的に対処する手段はなく、発生するたびに増えていく一方だそうだ。
先述のMariina氏は、犬たちを平気で捨て去る市民の挙動は「クールじゃない」として、調査中であると伝えている。また同じく調査中の問題として「ゴミ問題」も挙げられている。公式フォーラム上では、ゴミ収集車がゴミ処理施設を出発する前になぜか数十トンの新たなゴミを無から生成してしまう「無限ゴミバグ」が複数報告されている。この問題も調査中というわけだろう。
なおMariina氏はそのほかにも対処中のさまざまな問題を紹介。商業企業(commercial companies)の客がいなくなる現象など、同氏の紹介した問題の一部はさっそく本日Steam向けに配信開始されたパッチ1.0.12f1 hotfixにて修正されたようだ(関連記事)。また同氏は今後もアセット(3Dモデルなど)やLOD(Level of Detail)の最適化についての作業を続けていくと説明している。アセットについては最適化にあたって特に注意が必要なモデルも数多くあるそうで、長期的な作業になるとのことだ。
そのほかMariina氏は、現状では各パッチがSteam向けに先行配信され、Microsoft Store向けには期間を要している点にも言及。プレイヤーが重要な修正についてプラットフォームの違いで待つ必要がなくなるように、今後パッチ適用プロセスの迅速化も検討されていくそうだ。
先述のとおりMariina氏の報告はWord of the Weekとして公式フォーラム上でおこなわれた。今後も同氏により毎週投稿は続けられていくそうなので、開発チームの取り組みなどの最新情報が気になる人は、本作公式フォーラムをチェックしておくといいだろう。
『Cities: Skylines II』は、PC(Steam/Microsoft Store)向けに発売中。PC Game Pass向けにも提供されている。またPS5/Xbox Series X|S向けには来年春発売予定だ。