『Cities: Skylines II』アプデで「細かすぎるキャラのテクスチャ」が軽くなる。バランス調整や最適化進む

Colossal Orderは11月3日、『Cities: Skylines II』Steam版に向け最新パッチを配信開始した。企業の利益に関わるバランス調整がおこなわれたほか、最適化に関する調整もほどこされているという。

デベロッパーのColossal Orderは11月3日、『Cities: Skylines II』Steam版に向けパッチ1.0.12f1 hotfixを配信開始した。企業の利益に関わるバランス調整がおこなわれたほか、最適化に関する調整もほどこされているという。

『Cities: Skylines II』は、高い評価を得た都市開発シミュレーションゲーム『Cities: Skylines(シティーズ:スカイライン)』の続編だ。プレイヤーは居住区やインフラなどを整備し、さらに産業を活性化させながら街を一から建設。市民の生活や経済などが複雑にシミュレーションされ、それらのニーズや状況変化に対応しながら街を発展させていく。


今回配信されたパッチはバランス調整・不具合修正が中心だ。まずバランス調整として市民が余暇を過ごす機会が増加しているといい、商業企業(commercial companies)に客がいなくなる状況が改善されているとのこと。そのほか企業の利益バランスが改善されたほか、倉庫に十分なスペースがないのにリソースを注文する状態も緩和されたそうだ。

さらに最適化も進められており、パフォーマンス向上のためにできるだけ大きなオブジェクトの後に小さなオブジェクトをレンダリングするといった調整がおこなわれているとのこと。またキャラクターに用いられていた不必要に大きなテクスチャ解像度が下げられているという。

ほか、影のLOD(Level of Detail)演算が改善されるなど複数にわたる最適化が施されているそうだ。LODは簡単に説明すると、プレイヤーの視点から遠くにあるオブジェクトは粗めに、近くにあるオブジェクトは詳細に描画する仕組み。距離によって描画を変化させ、描画にかかる処理を軽減させる施策だ。


本作は発売前に「目標とするベンチマークに達しないまま」リリースされることが告知されていた。結果として本作は最適化不足という課題を抱えたままのスタートとなり、発売後には推奨システム要件を満たしていても快適にプレイできないといった報告も寄せられている(関連記事)。

そうした中で独自検証でパフォーマンス問題の原因を探るユーザーも現れ、注目を集めていた。同ユーザーはキャラクター(市民)や細かなオブジェクトのLODが不十分で、詳細に描画されすぎているのではないかといった見解を説明。これに対して開発元も、メディアを通じてそうした指摘を一部認めていた(関連記事)。ちなみにユーザーからは市民一人ひとりの歯が描画されている点がパフォーマンスに影響しているのではないか、との推察もおこなわれていた。これについては開発元が海外メディアPC Gamerを通して「キャラには歯があるが、パフォーマンスには重大な影響を及ぼしていない」と否定していた。

そうして今回のパッチでは、指摘されていたようなパフォーマンス問題への対処も盛り込まれたかたち。本稿で挙げたほかにも複数の調整・修正が実施されており、詳細は公式パッチノート(英文)を確認されたい。なお既存のセーブデータで遊ぶ場合、パッチでの調整・修正点がシミュレーションとして有効になるまでしばらくプレイする必要があるとのことだ。


なお開発元は本作発売直後、パフォーマンス問題はゲームの根幹に起因する問題ではなく、将来のアップデートでの改善が十分に期待できると伝えている。今後もアップデートでパフォーマンス問題改善に向けて取り組まれていくことだろう。

『Cities: Skylines II』は、PC(Steam/Microsoft Store)向けに発売中。PC Game Pass向けにも提供されている。またPS5/Xbox Series X|S向けには来年春発売予定だ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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