アクアリウムシム『Fish Game』Steamにて“間違って”正式リリース、でも好評スタート。とっつきやすくもリアルなシステムで個性あふれるお魚たちを飼育


デベロッパーのA Shell in the Pit Gamesは10月26日、『Fish Game』を配信開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)。本作は早期アクセスとして配信予定だったものの、誤って正式リリースされたという。しかしながら、その内容はさっそくユーザーより好評を得ている。

『Fish Game』はアクアリウム・シミュレーターだ。プレイヤーは水槽に砂をいれ水草やオブジェなどで飾り魚を飼育、自分だけのアクアリウムを作り上げる。本作は“アクアリウム愛好家が同志のために作ったゲーム”と謳われており、魚などのリアルな挙動が特徴となっている。

魚たちは個性ある存在であり、種類が違えば挙動が違うのはもちろんのこと、同じ種類でも個体によって性格などが異なる。攻撃的な性格の魚は、ほかの魚をかじって死なせてしまうことも。魚の性格や、ほかの魚との関係性を見極め、場合によっては水槽をわけるなどして対処しよう。また、本作では酸素・二酸化炭素・アンモニアの濃度などもシミュレートされている。水槽を掃除し、水草や藻などを入れ、水質を適正なバランスに保つ必要がある。水草は種類によって適切な量の照明が必要となり、伸びすぎれば剪定することも可能。水槽はサイズなどを自由に変え、複数作成することができる。それぞれ違ったコンセプトのアクアリウムに仕立ててみたり、あるいは調子の悪い魚が回復するための療養用水槽にするのもよいだろう。

環境や魚たちの複雑な相互関係が特徴の本作だが、魚が何にストレスを受けているのか、なぜ死んでしまったのかなどをわかりやすく表示してくれるため、プレイの上で専門知識はさほど求められない。また水槽の掃除や管理を簡略化したゲームモードも存在。フォトモードも用意されているため、純粋にアクアリウムの飾り付けを楽しむようなプレイも可能となっている。


本作は早期アクセス配信としてリリースする予定だったが、開発・販売元のミスにより、“誤って”正式リリースしてしまったとのこと。しかし、現時点でも50種類以上の魚たちが用意されており基本的なゲームプレイは楽しめる状態。今後は水温の概念の導入や海水飼育など新たな要素を盛り込みつつ、魚やオブジェの種類を増やし、コンテンツを充実させていきたいという。

また、開発者はこの一件について前向きに受け止めており、間違いのおかげでSteamにおける露出に成功したとして怪我の功名を語っている。そういった事情のため、本作は今でも開発の途上だという。プレイヤーたちには「早期アクセス配信ではなく、素晴らしいアプデがいっぱいある正式リリース作品を買ったと思ってほしい」と前向きに語りかけている。そんな本作は本稿執筆時点で96件のSteamユーザーレビューを集め、うち94%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。Steamレビューでは、リアリズムを重視したシステムや、鮮やかな色使いのアートスタイルなどが好評だ。

本作を手がけるのは A Shell in the Pit GamesおよびCreative Ink Gamesだ。A Shell in the Pit Gamesはカナダ・バンクーバーに拠点を置くスタジオ。もともとはゲームのオーディオ関係を請け負っているスタジオで、『Untitled Goose Game 〜いたずらガチョウがやって来た!〜』など50以上の作品に関わってきた。本作が初のオリジナルタイトルになるという。Creative Ink Gamesはアメリカ・インディアナ州に拠点を置くインディースタジオで、過去にはローグライクアクション『RASHLANDER』などを制作している。また、チャンネル登録者数1100万を超える人気教育系YouTubeチャンネルSmarterEveryDayも開発に協力しているとのこと。本作は多くのアクアリウム愛好家たちが集まって制作されているようだ。

『Fish Game』はPC(Steam)向けに配信中だ。現在リリース記念セールとして、日本時間11月3日午前2時まで25%オフのセールがおこなわれている。