『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』最速クリア競争が白熱、1時間34分でクリアされる。城も飛行戦艦もスキップ
スピードラン走者のJhay氏は11月1日、『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』(以下、マリオワンダー)のスピードランの「Any%」レギュレーションにおいて、自身のもつ1時間37分15秒の記録を更新し、1時間34分28秒とした。
Speedrun(スピードラン)とは、日本ではRTA(リアルタイムアタック)とも呼ばれる、ゲームクリアなどの目標を達成するまでの時間を競いあう競技だ。スピードランの対象となっているゲームやレギュレーション、世界記録ランキングなどはSpeedrun.comといった集計サイト上で確認することができる。
今回記録が更新された「Any%」レギュレーションには、いくつかのルールがある。まずオンライン機能は禁止されているものの、ローカルマルチプレイが可能。ほかにもOut Of Bounds(OoB)、つまり本来のゲームプレイでは侵入することのできない領域まで入り込みマップなどをスキップするという、バグ技の使用も許可されている。
今回記録を更新したのはJhay氏。同氏は2D、3D問わずマリオシリーズのスピードランを数多く走っており、特に『スーパーマリオギャラクシー』シリーズでは複数カテゴリで1位を取得している。『マリオワンダー』のスピードランも、その流れで挑戦することとなったのだろう。
Image Credit: Jhay on YouTube
Jhay氏は『マリオワンダー』の発売初日からAny%のランを敢行。当初は2時間21分21秒と、最新のタイムと比較するとかなり遅めだ。ただ同氏はその後も継続的にランを繰り返し、10月30日には1時間41分13秒の記録を達成した。その翌日には早くも1時間37分15秒と40分切りを決め、そして今回さらに3分ほどタイムを縮め、1時間37分15秒と世界記録を更新した。
実はこの大幅なタイム短縮には、近頃発見されたバグ技の発見が関わっている。まず10月末にはW1「ドカンロック平原のパレス」をスキップする方法が見つかった。スキップ手法はJhay氏によってX上に投稿されている。まずはローカルマルチプレイでプレイヤーをふたりにする。そして2Pが画面外に出たタイミングで再度キャラクターを選択し直し、ゲームに戻ったタイミングで1Pが動こうとすると、クリアしていない先にも進めてしまう、というようなバグ技のようだ。このバグ技を実行するには1分もかかっていないため、通常通り「ドカンロック平原のパレス」を攻略するよりはるかに時間を短縮できる。
その後、さらに「フラワー諸島の飛行戦艦」もスキップする手法が見つかった。こちらも先ほどのスキップ手法と同様に、ローカルマルチプレイヤーを利用して本来クリアしなければならない箇所を飛ばしてしまうバグ技のようだ。このことでさらにタイムが短縮され、今回の大幅タイム更新につながったとみられる。
Jhay氏は、『マリオワンダー』のスピードランについてさらなる伸びしろがあると予想しているのか、世界記録を更新したものの、叫んだり感涙したりすることはなく、冷静にベスト記録更新を喜んだ。X上にも記録達成について投稿しつつ、まだ1時間32分台を目指して練習中だとした。
ちなみに、今回『マリオワンダー』のスピードランはいくつかのレギュレーションがある。すべてのステージをクリアし、ワンダーシードとフラワーコインをひとつ残らず集める「100%」や、バグ技などを使わず、通常通りプレイし最速クリアを目指す「All Royal Seeds」がある。「All Royal Seeds」は走りやすいためか、本稿執筆時点のリーダーボードには発売から10日しか経過していないにも関わらず、すでに77名分の記録が残されている。Any%だけでなく、さまざまなルールをチェックし、それらの華麗なプレイを楽しむのもいいだろう。