人気PvPvEシューター『Hunt: Showdown』開発者、『オーバーウォッチ2』のような「新作で置き換えパターン」の展開はしないと明言。“焼き直し”になるので

Crytekが手がけるPvPvE対戦FPS『Hunt: Showdown』は、『オーバーウォッチ2』や『Destiny 2』のようなシリーズ展開がおこなわれないという。現行作に置き換わらないかたちでの展開が想定されているようだ。

Crytekが手がけるPvPvE対戦FPS『Hunt: Showdown』では、シリーズ展開がおこなわれるとしても現行作に置き換わらないようなかたちで想定されているという。本作のゼネラルマネージャーDavid Fifield氏が海外メディアのインタビューに向けて明かしている。


『Hunt: Showdown』は、PvPvE対戦FPSだ。怪物たちが跋扈する1895年を舞台に、プレイヤーはハンターとしてモンスターの討伐を生業としていく。プレイヤーは、モンスターを討伐することで報酬を獲得。そのうえでマップ上に存在する、ほかのプレイヤーに狩られないように生き延びなければならない。もしほかのプレイヤーに狩られてしまうと、持ち運んだ武器や報酬を失う場合もある。

Steamユーザーレビューには本稿執筆時点で約14万件が寄せられ、うち82%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。モンスターを討伐しながら競合相手の存在にも気を配るという、緊張感あふれるゲームプレイなどが評価を受けている。また扱いの難しいレトロな銃器が登場するため、ほかのシューター作品とはひと味違う戦術が必要な点も好評だ。2019年の正式リリース以降もサポートが継続されており、大型アップデートの際にはSteamでの同時接続プレイヤー数記録を大きく更新する様子も見られる(関連記事)。根強い人気を誇っている作品だ。

このたび、本作のゼネラルマネージャーを務めるDavid Fifield氏が海外メディアRock Paper Shotgunのインタビューにて本作のシリーズ展開についての展望を明かしている。同氏いわく『Hunt: Showdown』がシリーズ展開されるとすれば、『オーバーウォッチ2』や『Destiny 2』などとは違ったアプローチでの展開になるという。

『オーバーウォッチ2』

David氏が例示した『オーバーウォッチ2』は当初、PvPモードと本格的なPvEモードを備えた2軸での展開が計画されていた。前作からの変更点として基本プレイ無料化したほか、PvPモードは6対6から5対5へと対戦人数が変更。まずは新たなPvPモードを主軸に、前作所有者向けにはアップデートで前作に置き換わるかたちで2022年10月に配信開始された。一方で、今年5月に開発元はPvEモードに関する方針を転換し「ヒーローミッション」の開発を中止すると発表。同モードに並ぶ大規模PvEモード「ストーリー任務」やイベント時のPvEモードなどが展開されているものの、結果としては前作と同じくPvPモードを主軸にする方針がとられている(関連記事)。

David氏は『オーバーウォッチ2』での変化はクールな進化であるとしつつも、前作『オーバーウォッチ』の焼き直し(reskin)であるといった考えを述べている。そして同氏が併せて挙げた『Destiny 2』も前作と同様のゲームサイクルが軸になっており、新たな要素はありつつもゲームプレイそのものに大きな変化はない点で共通している。また両作ともにナンバリング新作として打ち出され、プレイヤーベースが新作に移行している点も同じだろう。

David氏によれば、『Hunt: Showdown』はそうした作品とは異なるシリーズ展開戦略がとられるようだ。『Hunt: Showdown』がシリーズ展開される場合でも、同作に取って代わるような作品にはならないとしている。つまり現在の『Hunt: Showdown』を存続させつつ、シリーズ作品もまったく新たなゲームとして打ち出されるわけだろう。


またあわせてDavid氏は『Hunt: Showdown』自体の今後の計画を『フォートナイト』にたとえている。『フォートナイト』ではシーズンよりも大きな区切りとしてチャプターを新たにして、さまざまな新要素・変更が実施される展開が続けられてきた。『Hunt: Showdown』でも同様に、大きな新展開を盛り込みつつも、新たなナンバリング展開はせず同一タイトルでサポートし続ける方針が取られるようだ。

マルチプレイ主体の作品にとって、新作・新展開にあたってのプレイヤーベースの維持は重要だろう。ナンバリングなどを改めてスタンドアロンな新作が打ち出されるシリーズも多くある傍らで、近年では『オーバーウォッチ2』や『Counter-Strike 2』のように前作と置き換わる作品も登場。また『Call of Duty』シリーズにおいては、シリーズ作品を総合管理できるアプリ「Call of Duty HQ」がリリースされている(関連記事)。特にプレイヤーベースが大きい人気作では、変化を感じさせるよりもスムーズな移行に重点が置かれる傾向もありそうだ。サービスの節目としてナンバリングを新たにする場合もあれば、『フォートナイト』のように同一タイトルで変化を盛り込みつつ長期サポートが継続されている場合もあり、各社の戦略の違いが垣間見える点は興味深い。

『Hunt: Showdown』はPC(Steam)および海外コンソール向けに発売中だ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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