『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』では、「スピーカーのないコントローラー」から音が鳴る。ワンダーなギミック
Nintendo Switchにおいて、Joy-Conなどのコントローラーに搭載されているHD振動。『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』(以下、マリオワンダー)にてHD振動を利用した、ゲーム内における表現が話題になっている。
『マリオワンダー』は横スクロールアクションである『スーパーマリオブラザーズ』シリーズの新作だ。本作ではマリオたち登場キャラクターが特別な能力をもったいろいろな姿に変身可能。新たなパワーアップ要素として、「ゾウ変身」「アワ変身」などが登場する。たとえばゾウに変身すると、長い鼻と大きな身体に変わり、鼻を使った攻撃や、水を吸いあげ草花にまくことができるようになる。
また本作では振動機能を利用することができ、オプションからその強弱などを設定可能。振動は敵にぶつかったときやアイテムを取得したときなどに起こる。多くのゲームに搭載されており、珍しい機能でもないコントローラーの振動だが、このたび海外メディアによってこのHD振動を活かしたギミックが発見された。
GameXplainによって投稿された動画では、振動機能をオンにしているとコントローラーから音が鳴るという。検証をおこなったステージは、「ドカンロック平原」の「歌って踊ってパックンマーチ」だ。このステージは、上を通ったりジャンプしたりすると音が鳴る、音符ブロックが置かれている。
動画内では、この上を歩くとProコントローラー(以下、Proコン)から音符ブロックの音が鳴っていることがわかる。筆者も実際に試してみたところ、ブロックの上を走ったり跳ねたりするたびに、コントローラーから音がしていることを確認できた。
任天堂の公式製品仕様を確認してもJoy-ConやProコンにはスピーカーは搭載されていない。また振動機能をオフにするとこの音は聞こえなくなるため、HD振動によって奏でられる音なのだろう。HD振動による表現の豊かさがうかがえる。ただ、HD振動を用いて音を鳴らすゲームは本作が初めてではない。
2018年に発売された『星のカービィ スターアライズ』では、クリア後に訪れることのできる「エクストラスターδ」において、スペシャルゴールデンカービィ像が登場する際に、コントローラーからカービィシリーズおなじみの「グリーングリーンズ」が流れることが判明し、国内X上でも話題となった。
ほかにも『Nintendo Labo Toy-Con 01: Variety Kit』における段ボールピアノにもHD振動を活かしたギミックがある。ピアノにはモードがあり、「アコースティックモード」のつまみを使用すると、Nintendo Switch本体から音が出るのではなくJoy-Conが振動する。このJoy-Conを段ボールの箱などに置くと、箱全体が振動して音が出るようになる。
こうしたHD振動を活かしたギミックは、開発ツールを用いて比較的簡単に実装できるようだ。Nintendo Switchでもリリースされたゲーム『Holy Potatoes! A Weapon Shop?!』の開発者によると、どうやら開発ツールに効果音などのサウンドデータを入力するだけでHD振動が生成できるようだ(NintendoSoup)。HD振動を活かしたギミックは、この実装しやすさも寄与して、さまざまなソフトに組み込まれているのかもしれない。
HD振動によってユニークな体験が可能な『マリオワンダー』。少々遊びにくくなるだろうが、コントローラーに耳を近づけてみれば、普段とは違った聞こえかたでゲームを楽しめるかもしれない。
『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』はNintendo Switch向けに発売中だ。