大手RTAイベントに「柴犬」が選手として出場へ。飼い主を見つめながら、“お手”でファミコンロボット役を務める
大手RTA(Speedrun)イベントに“柴犬”が出場することが報告され、注目を集めている。「ファミリーコンピュータ ロボット」向けのゲームを、ロボットの代わりに柴犬が操作するようだ。海外メディアPC Gamerが伝えている。
RTAイベントに出場することで注目を集めているのは柴犬のPeanut Butter(以下、PB)だ。RTA走者JSR_氏の愛犬であり、「AGDQ 2024」に同氏と共に出場するという。Games Done Quickが主催するイベントで、来年の現地時間1月14日から21日にかけて開催予定。
PBがイベントで挑戦するのはファミリーコンピュータ向けの『ジャイロ(Gyromite)』のようだ。同作はファミリーコンピュータ ロボット(以下、ファミコンロボット)向けに発売された二作品のうちの一つ。ファミコンロボットはゲームと連動して動く周辺機器であり、画面上から送信される光信号に反応して動く仕組みとなっていた。『ジャイロ』では、ファミコンロボットを動かして赤・青のボタンが押されることで、ゲーム内で対応するゲートが開閉されるシステムが用意されている。
PBは同作にて、ファミコンロボットの代わりに赤・青などのボタンを押してゲームのクリアを狙う。なお操作にはJSR_氏お手製のコントローラーが用いられる様子だ。PBがプレイするのは『ジャイロ』の「Game B」と見られる。寝ぼけて右に動き続ける博士の行く手を阻む赤と青のゲートを、ボタンを押して開けてあげるゲームモードだ。PBはすでに今年の7月に同作・同モードにてRTAに挑戦していた。
映像を見ると、JSR_氏が“ご褒美”を使ってPBを誘導。ご褒美を求めるPBの前足がお手製コントローラーに乗せられ、ゲーム内のゲートが開閉され攻略が進んでいる。PB自身にゲームをプレイする意思はなさそうなものの、JSR_氏の巧みな誘導で比較的スムーズにクリアに漕ぎつけた様子だ。記録は25分29秒となっている。
JSR_氏いわく、PBによる『ジャイロ』のRTAは数年間の練習の成果だという。PBは子犬のころから賢い犬であったといい、同氏は何か特別なことができるような練習をさせようと考えたそうだ。RTAにおいては同氏の誘導が占める部分も大きいものの、約25分間コントローラーの前で大人しく座って操作し続けている点は練習の賜物なのだろう。ちなみに「Peanut Butter」という命名は、JSR_氏がRTA走者であることにちなんでいるという。PBという頭文字が、Personal Best(自己ベスト)と同じになるネーミングのようだ。
なおSpeedrun.comでは上記動画の挑戦が「Game B – Dog Assistance」なるレギュレーションとして記録されている。そのルールには「Controller 2 is to be controlled by a dog and only the dog(コントローラー2は犬のみによって操作される)」との項目もある“犬縛り”レギュレーションであり、現時点ではPB以外に同レギュレーションの走者はいないようだ。ちなみに『ジャイロ』には、ファミコンロボットを用いたレギュレーション「Game B – R.O.B. the Robot」も存在。こちらでの現時点の世界記録は24分39秒であり、PBよりも50秒早い記録となっている。
RTAイベントに出場するという柴犬のPB。自己ベストだけでなく、ファミコンロボットの世界記録に迫ることができるかも注目されるところだ。JSR_氏とPBが出場する「AGDQ 2024」は、現地時間で来年1月14日から21日にかけて開催予定。通例どおりであればイベントの様子はGames Done QuickのTwitchチャンネル上でも配信されるため、PBの活躍が気になる人はチェックするといいだろう。