「スイカ」のイライラ空登りゲーム『Hans』発表され体験版配信中。『Only Up!』風、物理演算コロコロ空登り

 

デベロッパーのat0mは10月10日、「Steam Nextフェス」にて『Hans』のデモ版を配信開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)。


『Hans』は物理演算が採用されたパルクールアドベンチャーゲーム。主人公は科学技術により生み出された不死の存在Hansだ。丸々としたスイカの姿をしている。本作の世界では人類が宇宙に旅立ったという。地球上に取り残された孤独なHansは人類を追うためか、丸い体を転がしてジャンプしながら、空へ空へと登っていく。

プレイヤーは高層ビルや木々、車などが浮かび上がった混沌とした世界をひたすらジャンプで登っていく。また道中には球体のHansの足取りを大きく狂わせる回転台や、Hansを発射する大砲といったギミックが存在。難所もある一方で、本作には時間を操ってスローモーションにするシステムも用意されているので活用することになるだろう。またマップには宝箱が点在し、Hansの見た目を変えるアイテムを入手できる。高く登るほどBGMも盛り上がっていくといった要素もあり、ひたすら登るというシンプルなゲームプレイの彩りとなりそうだ。

一方でスイカとして空を登るなかでは、やむなく足場から落ちてしまう場合もあるだろう。本作にチェックポイントなどはなく、落ちてしまった場合はその場からやり直し。忍耐力を試される作風から、公式説明ではモニターを叩き割らないように注意喚起されている。

本作を手がけるのはat0mことAtaberk Palacıoğlu氏。トルコのゲームスタジオWendigo GamesをCaner Pekgönenç氏と共同設立した人物だ。『Hans』は9月30日にAtaberk氏のYouTubeチャンネルにて「世界で一番難しいゲーム」と謳われてお披露目されていた。

なお本作は「空へと登り続ける」「雑然とさまざまなオブジェクトが浮かぶ光景」といった点から、本作はSCKR Gamesが手がけた『Only Up!』の影響を受けているようだ。同作は今年5月にリリースされ、Twitchなどストリーミング配信サイトを中心に国内外で人気を博した。しかし同作は9月に販売終了となり、以前の購入者は引き続きゲームをプレイできるものの、新たに入手することはできなくなった。Steamストアページ上のタイトル表記は「not available」に変更。そのほか開発者名が変更されたり公式YouTubeチャンネルが閉鎖されたりと『Only Up!』が販売されていた痕跡が限りなく消し去られる対応がとられた(関連記事)。

一方で『Only Up!』のフォロワー的作品は続々とリリース・発表されており、中には『Only Up!』のタイトルそのものを“襲名”する作品も見られる(関連記事)。そうした作品ではマルチプレイなどの独自要素もアピールされてきた。


今回デモ版が配信されている『Hans』も、『Only Up!』のフォロワー的作品の一つといえそうだ。コロコロと転げまわるスイカが主人公という点は、個性的なビジュアルだけでなくゲームプレイの特徴にもなりそうである。ちなみにスイカといえば、最近になって2021年12月発売の落ちものパズル『スイカゲーム』が国内外で流行を見せている。『Hans』のスイカが主人公という点が同作からの影響かどうかは定かではないものの、ストリーマー人気の高い2作品の要素が盛り込まれたゲームといえる。今後配信サイトなどで人気を獲得できるかどうかも注目されるところだろう。

『Hans』の体験版は、PC(Steam)向けに配信中だ。「Steam Nextフェス」は10月17日午前2時まで開催されるが、本作の体験版が閉幕と同時に配信終了となるのか、引き続き配信が続けられるのかは不明である。興味のある人は今のうちにプレイしておくと良いだろう。