PlayStation事業が新体制へ。SIE社長兼CEOのJim Ryan氏が来春退職、後任はソニーグループ社長が“暫定的に”兼任へ
ソニー・インタラクティブエンタテインメントの社長兼CEOを務めるJim Ryan氏は9月28日、2024年3月末をもって同社を退職することを発表した。来年4月1日からは、ソニーグループ代表取締役社長COO兼CFOを務める十時裕樹氏が、SIEの“暫定CEO(Interim CEO)”を兼任するかたちになるという。
Jim Ryan氏は2019年4月よりSIEの社長兼CEOを務めている人物だ。1994年に当時のSony Computer Entertainment Europeに入社し、以降同社の要職を歴任。2018年1月にはSIEの副社長に就任し、翌年より小寺剛氏に代わるかたちで社長兼CEOに就任し、現在に至る。
今回、Ryan氏は2024年3月末をもってSIEを退職すると表明した。同氏は声明において、最近では英国に自宅を構えながら米国で仕事をするというバランスをとることが難しくなっていたと説明。SIEとそのコミュニティを愛してやまないとしながらも、トップを退く決断に至ったことを明かした。
そしてRyan氏の後任として来年4月1日からは、十時裕樹氏がSIEの暫定CEOになることが明かされている。十時氏はソニーグループ株式会社にて代表取締役社長COO兼CFOを務める人物であり、現在の職務を継続しながらSIEでの暫定CEOを担当するかたちになるそうだ。また十時氏はRyan氏の退任をサポートするために、2023年10月からSIEの会長に就任予定。十時氏はソニーグループ取締役代表執行役会長兼CEOの吉田憲一郎氏、およびSIEの経営陣と密接に連携し、PlayStationの次なる章を策定していくとのことだ。
なおReutersがソニーグループ広報担当者の証言として伝えたところによると、十時氏が暫定CEOを務めるのは最大1年間となる見込みであり、来年4月を待たずにSIEの新社長兼CEOの候補が決まる可能性もあるという。また今回のRyan氏の退職は、本人からの申し出による決定とのことだ。
4年間社長兼CEOを務めてきたRyan氏の退職により、SIEの体制も変化することだろう。PS5は国内では今年に入ってから本格的な普及を見せており、トップの交代によりSIEの戦略が今後どのように変化していくのかも注目される。
なおRyan氏退任のニュースを受けて、Phil Spencer氏もコメント。同氏はマイクロソフトのゲーム部門CEOでXbox事業を率いる人物であり、PlayStaiton事業を率いてきたRyan氏とはビジネス上の“ライバル”ともいえる。Spencer氏は、Ryan氏を業界に多大な貢献をもたらしたとして称賛し、次の活躍を祈っているとした。またRyan氏が、(ゲーム)コミュニティのために尽くしていたことに感謝を綴っている。