CD PROJEKT REDは9月26日に、『サイバーパンク2077』の大型拡張パック「仮初めの自由」の発売および無料アップデート2.0の配信を予定している。対応プラットフォームはPC/PS5/Xbox Series X|S。アップデート配信が迫る中、本作のリードシーンプログラマーを務めるFilip Pierściński氏がPC版ユーザーに向けた“注意喚起”を投稿。ユーザーらにCPU周りの環境の確認を促している。
『サイバーパンク2077』は2020年発売のオープンワールドアクションゲームだ。開発はCDPRが手がけている。本作にとって最初で最後の大型拡張パックとなる「仮初めの自由」では、壁で外部と隔絶された危険地帯ドッグタウンが登場。主人公Vに新たな任務が託され、“新合衆国大統領”を救出することになるという。忠誠心と陰謀が絡み合うスパイ・スリラーをテーマにした物語が展開されるそうだ。誰を信用し、誰を味方につけるのか。プレイヤーの選択が物語を左右するのだろう。拡張パック発売に際しては無料アップデート2.0が配信予定で、拡張パックだけでなく無料アップデートにおいても新要素が用意される。
今回、本作のリードシーンプログラマーを務めるFilip Pierściński氏が、本作PC版を遊ぶ場合のCPU周りの環境についての注意喚起をおこなっている。というのも同氏によると、本作は動作時に限界までCPU性能を引き出そうとするため、8コアのCPUでは90%程度の使用率になることが予想されるそうだ。そのため発売前に、CPUの冷却システムの状態を確認しておくようにユーザーに呼びかけている。またあわせて、Cinebenchなどのベンチマークソフトを利用すればシステムの安定性を確認できることも紹介されている。
なおFilip氏の注意喚起に対しては、ユーザーらが自分のPC環境でもアップデート2.0適用後に問題なく遊べるかといった質問も寄せられている。同氏はこれらに丁寧に答えており、本作を快適にプレイできる動作環境の目安にできるだろう。たとえば同氏は、Intel Core i7-8700では問題なく動作する(Will be good)と返答。AMD Ryzen 7 5800Hでは、PC側の電源オプションが省電力設定になっていないかを確認してほしいそうだ。つまりバランスまたは高パフォーマンスの電源オプションであれば、動作に問題はないのかもしれない。
さらにFilip氏は、CPUの同時マルチスレッディング機能(SMT)についても質問に答えるかたちで言及。Intel製のCPUにおいてはHyper Threading(HT)と呼ばれる機能だ。同氏によると、開発チーム側の考えとしては、8コアのCPUにおいてはSMTを有効化した方がよいと考えているそうだ。一方で12コア以上のCPUでは無効化した方がよいとのこと。ただしユーザーの考えに基づいて設定してほしいとしており、SMTの動作への影響は環境にも依るのかもしれない。
なお本作は実行ファイル(.exe)をバイナリエディタで編集することで、AMD製のCPUなどで動作が向上することがユーザーにより報告されていた。これを受けてか、あるユーザーはFilip氏に対して、アップデート2.0 では8コアCPUだけでなく16コアCPUに向けても最適化がおこなわれているかを質問。同氏はこれに返答するかたちで、アップデート2.0後の本作ではネイティブに16コアCPUがサポートされており、今後は実行ファイルの編集やModが必要なくなることを明言している。
今回、「仮初めの自由」の発売や無料アップデート2.0が迫る中、開発者によってCPU環境に関する詳細が明かされたかたちだ。なおアップデート2.0に際しては本作の必要動作環境が更新されている。設定ごとに推奨されているGPUやCPUが軒並みグレードアップされたほか、ストレージといてHDDの仕様はサポート対象から除外されている。アップデート後の環境を以前のグラフィック設定を維持して快適にプレイしたい場合は、今いちど確認しておくといいだろう(関連記事)。
『サイバーパンク2077』の大型拡張パック「仮初めの自由」はPC/PS5/Xbox Series X|S向けに9月26日発売予定だ。
【UPDATE 2023/9/13 14:41】
Filip氏は本件に関する補足として、自身の意図を詳しく説明。同氏の注意喚起はCPUの冷却システムのメンテナンスと、定期的な点検の必要性を強調することだったと伝えている。アップデート2.0適用後の本編、および「仮初めの自由」のコンテンツを遊ぶ際にPCが“溶ける”ような過度な負荷はかからないと説明。上述のアップデート2.0向けの必要動作環境であれば推奨ハードウェアで十分なパフォーマンスを発揮すると述べている。