『スターフィールド』開発者、“何もない惑星”は意図的に用意していると強調。コンテンツ不足ではなく「宇宙の孤独感と広大さ」を感じさせる狙い

Bethesda Softworksは9月6日、『Starfield(スターフィールド)』の発売を予定している。本作では探索しても“何もない惑星”が存在。今回、開発者が何もない惑星が意図的に用意されていることを説明している。

Bethesda Softworksは9月6日、『Starfield(スターフィールド)』の発売を予定している。対応プラットフォームはPC(Steam/Microsoft Store)/Xbox Series X|Sで、Premium Edition以上のバージョンを予約購入すると最大5日間の先行プレイが可能となっている。本作では探索しても“何もない惑星”が存在。今回、開発者が何もない惑星が意図的に用意されていることを説明している。


『スターフィールド』は、『The Elder Scrolls』シリーズや『Fallout』シリーズの開発で知られるBethesda Game Studiosが手がけるRPGだ。本作では人類が太陽系外に進出している2330年の世界を舞台に、プレイヤーは希少なアーティファクトを求める宇宙探検家集団コンステレーションの一員として、広大な宇宙の星々を冒険する。プレイヤーキャラは人物のバックグラウンドを設定できるほか、スキルによる強化も可能。そのほか宇宙船にはさまざまなタイプが存在し、カスタマイズ・アップグレードが可能だ。

本作には100以上の星系に1000以上の惑星が存在し、プレイヤーはすべての惑星について、好きな場所に着陸して探索できる。一方で惑星の中には、“何もない”星も存在する。今回、本作のマネージングディレクターを務めるAshley Cheng氏がThe New York Timesのインタビューにて、何もない惑星が意図的に用意されたことを説明している。Cheng氏によると何もない惑星の存在は、プレイヤーが自分のちっぽけさを感じるほど宇宙が広大であることを表現しており、圧倒されるような感覚を生じさせる狙いがあるという。また同氏は、そうした感覚が生じれば、現実で宇宙飛行士が月に初めて降り立ったときのように、何もない星を“退屈”とは感じないだろうとの見方を示している。

またCheng氏は1000以上の惑星すべてにコンテンツを詰め込むことなく、やることが十分にあるようなバランスにしているとも伝えている。同氏はすべての星がテーマパークのようにコンテンツ満載ではないとも強調しており、緩急を意識して調整されていると見られる。なお本作ではリークと見られる映像にて、数分間にわたって砂漠の惑星を走り続け、惑星に何もないと指摘する動画が一部で注目を集めていた。Cheng氏が今回何もない惑星について言及したのは、そうした揶揄への意識もあるのかもしれない。


インタビューでは、本作においてリアリズムが重視されていたことも伝えられている。開発者たちは米国メリーランド州にあるNASAゴダード宇宙飛行センターを見学。これが惑星の自転速度といった銀河系のリアルなシミュレーションに繋がっているという。さらに見学での経験は、自動生成される惑星の地形をより現実的にすることにも活かされているそうだ。

スタジオディレクターのAngela Browder氏によると、本作に登場する惑星はさまざまなバイオームをもつ惑星が用意されているとのこと。本作では生物で満たされた岩石惑星もあれば、着陸さえできない極寒のガス惑星もあるという。同氏は、多彩な惑星のなかには、各々のプレイヤーが想像する宇宙のイメージに合致するような星がおそらくあるだろうとしている。リアリティを追求しつつ、自動生成技術を採用してバラエティ豊かな惑星づくりを実現したわけだろう。コンテンツが何もない惑星であっても、惑星ごとの地形や特徴は見どころになりそうだ。


また何もない惑星に関連して、本作のディレクター兼エグゼクティブプロデューサーを務めるTodd Howard氏が本作における“生命の存在しない惑星”に言及していたことがある。同氏によると本作で生命が存在する惑星は約10%とのこと。つまり生命が存在する惑星は、100個程度となるのかもしれない。同氏によれば本作では、プレイヤーに「どの星に生命、そしてリソースが存在するか」を考えさせる設計になっているそうだ。いわゆるゴルディロックス・ゾーン(ハビタブル・ゾーン)にある星はどれか、といった科学的な視点で星を探させるような狙いがあるという。

また先述のCheng氏が語ったように、Todd氏も何もない惑星からは宇宙における“the magnificent desolation(壮大な孤独感)”が感じられると説明していた。生命が存在しない惑星や何もない惑星では、その星に降り立った唯一の人間であるという実感も楽しんでほしいそうだ。


何もない惑星を含めて、数多くの惑星が登場する『Starfield』。惑星の構築には自動生成技術も用いられている一方で、本作の都市や主要なロケーションは手作業で開発されており、手作業によるコンテンツはこれまでのBethesda作品史上最大のボリュームがあると伝えられている(IGN)。何もない惑星を除いても、十分なコンテンツ量があると見てよさそうだ。

『Starfield』は、PC(Steam/Microsoft Store)/Xbox Series X|S向けに9月6日発売予定。Xbox/PC Game Pass向けにも提供される。また、Premium Edition以上のバージョンを予約購入すると先行プレイが可能となっている。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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