『セインツロウ』シリーズ開発元Volitionが突然閉鎖。親会社による組織再編に伴い、30年の歴史に幕を降ろす
デベロッパーのVolitionは9月1日、親会社Embracer Groupが進める組織再編に伴い、スタジオを即時閉鎖すると発表した。
Volitionは、1993年設立のParallax Softwareを前身とするアメリカのデベロッパーだ。のちにパブリッシャーのTHQやDeep Silverに買収され、2018年にDeep Silverと共にEmbracer Groupの傘下に。そして『Borderlands』などで知られるGearbox Entertainmentの同グループ入りに伴い、その管轄下にて活動を続けてきた。
Volitionが手がけたタイトルというと、オープンワールドアクションゲーム『Saints Row(セインツロウ)』シリーズや『Red Faction』シリーズなどがよく知られるところだろう。2022年8月にはリブート版となる『Saints Row』を発売し、ちょうどこの9月のPS Plusのフリープレイタイトルとして提供されることが発表されたばかり。大型タイトルを数多く手がけてきた同スタジオであるが、一方で2017年リリースの『Agents of Mayhem』では売り上げ・評価共に芳しい結果を得られず、当時レイオフが実施されたと報じられたこともあった(関連記事)。
今回の発表によると、親会社Embracer Groupが今年6月に発表した組織再編プログラムの一環として、このたびVolitionの閉鎖が決定したとのこと。Embracer Groupというと数多くのスタジオ・IP買収を重ねて急速に規模を拡大させてきたことで知られるが、当時同グループは大規模な投資モードからのビジネス戦略の転換を宣言。事業リスクの低減と収益性の向上を目指すとし、そのなかにはスタジオの閉鎖や売却、未発表ゲームの開発中止などが含まれるとしていた。その影響が、ついにVolitionにも及んだということのようだ。
Volitionは、今年6月末に設立30周年を祝ったばかりだったが、突然閉鎖されることとなった。同スタジオは、30年間にわたって世界中のファンに最高のエンターテイメントを届けることができて誇りに思うとし、ファンに対し感謝の言葉を述べている。また現在は、今回のスタジオ閉鎖により影響を受けたスタッフの再就職先についてサポートしているところとのことだ。なお『Saints Row(セインツロウ)』シリーズなどの今後については、現時点では特に発表されていない。