ジュピターは8月29日、『Logiart Grimoire(ロジアート グリモワール)』を発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、9月12日より早期アクセス配信開始するという。
『ロジアート グリモワール』は、ピクチャーロジックパズルゲームだという。縦と横の数字をヒントにイラストを完成させる、いわゆる「ピクロス」だ。ジュピターといえば、任天堂と共に数多の「ピクロス」を手がけてきた会社だ。「ピクロス」の商標は任天堂がもっており、今回の新作は非任天堂ハードで出るというところで、ピクチャーロジックゲームというかたちで展開されるのだろう。
本作では、ファンタジー世界を舞台にロジアートが展開される。具体的には、魔書の管理人エミールと共に、魔書のロジアートを解いていくようだ。ゲーム内に登場するロジアートは、縦と横の数字をヒントにイラストを完成させるシンプルなもの。ロジアートをクリアすれば、その問題は新たな問題を解放するための素材になるという。2~3個の素材を正しくフュージョンさせることで、新たな問題を解放できる。
また多く問題をこなすことでエミールは魔力をアップさせ、多くの問題をフュージョンできるようになるそうだ。特定の問題をクリアすることで閲覧できるカテゴリーも増えていくという。問題を解いていくだけでなく、解いた問題を組み合わせるといったパズル要素や、プレイヤーの成長要素を織り交ぜることで、ピクチャーロジックの遊びに異なるレイヤーを加えているのだろう。
収録問題は280問以上。サイズは5×5、10×10、15×15、20×15、30×30、40×30の6種類。またアシスト機能オプションも備わっている。なお本作はまずは早期アクセスとして配信予定。メイン問題自体はすべて遊べる状態で、マウスでの操作に対応しているという。一方で、早期アクセス配信時点ではキーボードやゲームパッド、Steam Deckには非対応など、まだ万全ではない点もあるという。それらの対応に加えて、フュージョンの組み合わせや遊びやすさのブラッシュアップを、プレイヤーのフィードバックを通じて進めていくそうだ。
ジュピターは「ピクロス」だけでなく、『テイルズ オブ ザ レイズ』の開発に参加していたり、『Fit Boxing』の開発に携わっていたりと、受託ゲーム会社として確かな実績を誇る。自社開発ゲームにも熱心で、ゾンビの仕事ゲーム『ワーキング ゾンビーズ』を開発。最近では海外メディアVGCのインタビューで、ジュピターのシニアマネージャーである目黒徳親氏が、「2025年にはピクロス30周年になるので、何らかのかたちで祝いたいものの、任天堂からコラボ企画の承認をもらうのが難しくなっている」(抄訳)とこぼしていた。
ジュピターによるNintendo Switch向けの「ピクロス」シリーズの展開自体は活発で、直近では『ピクロスS9』が4月に発売されていた。一方で、ゲーム業界も人員確保合戦などで中小企業の生き残りが熾烈になっており、自社としてのアプローチもあの手この手で考えているのだろう。ジュピターの新しい挑戦を応援したいところだ。
『ロジアート グリモワール』は、PC(Steam)向けに9月12日早期アクセス配信予定だ。