オープンワールドサバイバルMMO『The Day Before』を手がけるFNTASTICと販売元MYTONAに関係する企業が、今年8月初旬に「DAYWORLD」なる商標を米国にて出願していたことが明らかになった。本作においては商標にまつわる問題が発生していたことから、ゲームタイトルの変更が計画されているのではと注目されている。海外メディアWellPlayedなどが報じている。
『The Day Before』は、パンデミック後のアメリカを舞台とするオープンワールドサバイバルMMOだ。高層ビルが建ち並ぶ都会から自然広がる田舎まで、さまざまな環境を擁する広大なマップが用意され、そのなかではゾンビが徘徊。プレイヤーは仲間とともに探索し、食料や武器などの物資を獲得しながら、またゾンビや敵対するほかのプレイヤーと戦いながらサバイバルをおこなうこととなる。さらにプレイヤーは、コロニーにてコミュニティ内で交流したり、戦利品を売買したりできるという。
本作は2021年1月に発表され、Steam上でもっとも多いウィッシュリスト登録者数を記録するなど大きな注目を集めた。一方で、本格的なゲームプレイ映像がなかなか公開されず、公開されても物足りない内容であるなどして、本作の開発状況に不審の目が向けられては、開発元が反論する流れが続いた。また、当初は2022年6月発売予定だったが、延期を重ねて現在は11月10日予定とされている。その直近の発売延期の理由として、商標をめぐるトラブルが挙げられた。
本作のゲームタイトルである「The Day Before」の商標は、2021年の発表時点では米国にて取得可能な状況にあったそうだが、開発元FNTASTICが取得手続きをしないでいた間に、カレンダーアプリ「TheDayBefore」の開発元が先に取得。そして同アプリ開発元が商標権侵害を訴えたことで、『The Day Before』のSteamストアページが削除されることとなった。この商標問題を解決させる必要があるとして、約8か月間の発売延期が発表されたのだ(関連記事)。
そうしたなか、Mytona Fntastic Limitedなる企業が8月3日、米国にて「DAYWORLD」という商標を出願していたことが明らかになった。この企業は、FNTASTICとMYTONAが『The Day Before』の商標問題に対処するために新たに設立したものとのこと。また、両社が以前手がけた非対称対戦ゲーム『Propnight』のSteamストアページでは、その販売元としても新たに掲載されている。
商標「DAYWORLD」の想定される使用対象としては、ダウンロードゲームソフトウェアなどゲーム関連の区分が多数指定されている。FNTASTICは以前、ビデオゲームにおける商標「The Day Before」の使用は自らに正義があると主張し、Mytona Fntastic Limitedを通じて遅れて同商標を出願。ただ、依然として『The Day Before』のSteamストアページが復活していない状況からすると、問題の解決には至っていないのかもしれない。
そうなると、ゲームタイトルの変更は発売に向けた選択肢のひとつとなるだろう。その新タイトルの候補が「DAYWORLD」である可能性がありそうだ。ただし現時点では、タイトル変更について公式には何も発表されていない。
ちなみに本件を報じた海外メディアWellPlayedによると、「DAYWORLD」という名称は、1985年に発売されたアメリカのSF作家Philip José Farmer氏の著作と同名とのこと。もっとも、同著としての商標登録はされていない模様。またMytona Fntastic Limitedによる出願も、ゲーム関連以外の書籍は対象としておらず、新たな火種になる可能性は低いかもしれない。
『The Day Before』は、PC(Steam)向けに11月10日発売予定だ。