国内クラファンで約1000万円を集めたゲーム、完成しないままクラファン運営元が出資者に返金対応へ。プロジェクト実行者が対応せず

 

株式会社ピクセルは8月25日、Makuakeにて実施されたシューティングゲーム『スチームパイロッツ』のクラウドファンディングについて、同サービス運営元である株式会社マクアケから返金対応がおこなわれると報告した。出資者への案内メール送付が開始されており、返金を受けるには手続きが必要とのこと。


『スチームパイロッツ』は、元コナミ所属の作曲家である古川もとあき氏を発起人として発表された、PC向け縦スクロールシューティングゲームだ。Makuakeにて2019年より実施された2度のクラウドファンディングキャンペーンを通じ、合わせて1000万円を超える出資金を獲得している。

ピクセルは本作の開発担当となり、代表取締役の佐々木英州氏がプロジェクトに参加していた。しかし開発費の未払いや、合意についての一方的な条件変更などがあったとして後に降板。古川氏側からの連絡も途絶え、ピクセルは請負代金の支払いを求めて2022年2月に裁判を起こすに至った。一方で古川氏側からは、ピクセルに対し損害賠償および慰謝料を請求する別訴が提起された(関連記事)。

本作は、当初は2020年9月の完成が想定されていたものの、まだ完成していない。古川氏によると、本作の開発は新たなプログラマーを迎えて継続しているとのことだが、同氏から出資者へのプロジェクト進捗報告は2022年11月末を最後に途絶えている。

そしてこのたび、『スチームパイロッツ』のクラウドファンディングについて、マクアケ社から出資者への返金対応が実施されることとなった。実行者(古川氏側)へ対応を促してきたが、対応がなされないことが理由とのこと。対応とは、おそらく出資者からの返金依頼への対応のことと思われる。

本プロジェクトではピクセルが降板し、またキャラクターデザインを担当していたShuzilow.HA氏ももはや関与していない模様。出資を募った当時に案内された内容の作品として完成し、またShuzilow.HA氏が手がけるイラスト入りお礼メッセージや設定資料集などのリターン品を用意できるのかどうか不透明な状況にある。そのためか、先述した古川氏の最後のプロジェクト進捗報告に対しては、返金を希望する出資者のコメントが並ぶ。ただ、マクアケ社が対応を促しても、古川氏側が何らかの理由により対応しないことから、同社が代わって返金する運びとなったようだ。

『スチームパイロッツ』のクラウドファンディングの出資者に対しては、返金依頼に関してのメールが送付されており、返金を受けるには期限内に手続きすることが求められるとのこと。また、まずプロジェクト実行者である古川氏側に対して返金依頼メッセージを送ることが、マクアケ社からの代理返金を受ける条件とされているそうだ。返金を希望する出資者の方は、メールを確認し手順どおりに手続きしておこう。




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