『ピクミン4』によって、シリーズ人気が世界的に大きく拡大している模様。ヨーロッパですごいらしい

『ピクミン4』は、国内外で『ピクミン3 デラックス』を大きく上回る初動売上を見せているようだ。特に海外の売上については、シリーズ人気拡大も一因と見られる。

ピクミン4』は、国内外で『ピクミン3 デラックス』を大きく上回る初動売上を見せているようだ。海外メディアGamesIndustry.bizの報道や、ファミ通.comの「ゲームソフト販売本数ランキング」にて本作の好調な売れ行きが示されている。


『ピクミン4』は『ピクミン』シリーズ最新作だ。舞台となるのは危険な原生生物が多く生息する謎の惑星。主人公の新米レスキュー隊員はキャプテン・オリマーからの救難信号を受け、この惑星に降り立つ。本作でも過去シリーズ同様、プレイヤーは不思議な生き物ピクミンと共に原生生物たちに立ち向かい、協力しながら探索を進める。本作には新種の氷ピクミンやヒカリピクミンも登場。また宇宙犬・オッチンも強力な相棒となり、においを辿ったり巨大な体を活かしたりして活躍してくれる。

本作は7月21日に全世界にて同時発売された。今回、海外メディアGamesIndustry.bizのChristopher Dring氏が『ピクミン4』の売上について言及。同作の売上が、『ピクミン』シリーズの成長を示しているとの見解を述べている。


Dring氏はGamesIndustry.bizの記事において、Games Sales Data(GSD)が発表したデータについて言及。GSDが集計したヨーロッパにおける『ピクミン4』の発売後2週間の売上データが、2020年10月発売の『ピクミン3 デラックス』と比較して81%増の好調を記録していたという。なおGSDの集計するデータにおいては、任天堂が発売するゲームはパッケージ版の売上のみが対象となるそうだ。パッケージ版のみの売上データ比較とはいえ、ヨーロッパで『ピクミン4』の売上は、『ピクミン3 デラックス』の売上を大きく上回ったかたちとなる。

Dring氏は、GoNintendoにもヨーロッパでの『ピクミン4』パッケージ版売上データに基づく記事を投稿している。同氏は記事において、『ピクミン』は歴史の長いシリーズながらあまりゲーム文化(gaming culture)に浸透していなかったとの考えを説明。一方『ピクミン3 デラックス』発売から『ピクミン4』発売までの期間で、シリーズ作品として大きな成長を遂げたとの見解を示している。つまりヨーロッパのゲーマー間で、シリーズの魅力や知名度が浸透したという見方だろう。


なお国内における『ピクミン4』の売上については、ファミ通.comの「ゲームソフト販売本数ランキング」にて店舗データをもとにした推定販売本数が公開されている。同ランキングで本作は、発売から8月6日までの集計期間において累計約59万6000本の推定販売本数を記録している。一方で『ピクミン3 デラックス』については、2020年10月30日の発売から同年11月15日までの集計期間において、累計約27万本の推定販売本数記録となっている。ヨーロッパ以上に、国内での『ピクミン4』の売上は『ピクミン3 デラックス』と比べて好調なようだ。

『ピクミン4』が『ピクミン3 デラックス』よりも大きく売上を伸ばしたと見られる点については、さまざまな要因が考えられるだろう。そもそも『ピクミン3 デラックス』は、2013年7月にWii U向けに発売された『ピクミン3』に新要素を加えたNintendo Switch版である点にも留意したい。『ピクミン4』の方が好調な売れ行きを示したのは、完全新作である点も要因のひとつといえそうだ。

一方で『ピクミン3 デラックス』がシリーズ作品の売上記録を破っていた点にも注目したい。任天堂の2021年3月期決算資料説明によると、同年3月時点で同作はダウンロード版を含めて全世界合計204万本の売上を記録(資料PDF)。初代『ピクミン』の約160万本や『ピクミン2』の約112万本とされる売上記録を追い抜いていた。『ピクミン3 デラックス』の2021年3月時点の売上の内訳としては、国内売上が86万本で海外売上が118万本。ほかの任天堂作品と比べるとやや国内売上が優勢なものの、着実に海外での人気も高まっていた様子だ。同作による国内外の新たなシリーズファン獲得や知名度の向上が、『ピクミン4』の売上に繋がったかたちかもしれない。


また2021年10月には、シリーズを元にした基本プレイ無料アプリ『ピクミン ブルーム(Pikmin Bloom)』もリリースされている。同アプリはNianticとの共同開発によるiOS/Android向けの位置情報ゲームだ。アプリ市場調査会社Sensor Towerによると、同作は配信開始後2週間でダウンロード回数200万回を記録していたという(Eurogamer)。そのほか、今年6月22日には『ピクミン』および『ピクミン2』がNintendo Switch向けにも発売。基本プレイ無料アプリや過去のシリーズ作品の移植など、近年さまざまなかたちでシリーズが展開されている点も人気の拡大に繋がっていると見られる。

いずれにせよGSDやファミ通.comが示しているデータを見るに、『ピクミン4』は国内外で『ピクミン3 デラックス』よりも好調な売れ行きを見せていることがうかがえる。今後発表される任天堂の決算発表にて、ダウンロード版も含めたより詳細な売れ行きが確認できることだろう。

『ピクミン4』はNintendo Switch向けに発売中だ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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