『LoL』ベータ環境にて“キャラが常軌を逸したスピードで疾走する”現象が報告される。「15倍速」で文字通り風のように駆け回る風の精霊
Riot Gamesが開発運営している『リーグ・オブ・レジェンド(以下、LoL)』のパブリックベータ環境で、チャンピオンの一人「ジャンナ」のスキルに不具合とも思える強化調整が入り、とてつもないスピードで動き回る彼女の姿が確認されている。
今回、異常現象が報告されているのは『LoL』のPBE(パブリックベータ環境)だ。PBEは、ゲーム本編ではまだ実装されていない要素を試すことができるサーバという位置付け。コンテンツの本実装前にプレイヤーにテストプレイしてもらい、十分に調整された状態でリリースすることを意図している。
そしてジャンナは、スキルを用いて敵を打ち上げたり、味方にシールドや体力回復効果を与えたりする、サポート役のチャンピオンだ。スキルの効果の中には移動速度に関わるものもあり、それらを活用して味方のサポートに回る、というのがゲーム内での基本的な立ち回りとなる。
今回そんなジャンナが「あからさまに常軌を逸したスピードで駆け回る」様子が注目を集めている。YouTuberのVandiril氏によって、その様子がYouTubeに投稿された。そこにはプラクティスモードで装備を揃え、ステージであるサモナーズリフトを駆け回る彼女の姿がある。最初の走り出しもかなりの速度だが、6つの枠をすべてアイテムで埋めた状態で拠点を出発すると、はじめとは比較にならないほどの速さを叩き出している。通常であれば、陸地を歩く小さい兵士たち「ミニオン」より少し速い程度であることを考えると、移動速度の異常さがよく理解できる。
海外掲示板Redditにも別の遭遇例が投稿されている。投稿者があげた動画では、味方であるジャンナの姿を追っており、実際の試合で高速移動が使用されている様子とみられる。他チャンピオンをはるかに上回るスピードでマップを駆け巡り、敵にダメージを与えて去っていく姿は文字通り“疾風”だ。彼女の移動というよりはむしろテレポートと形容すべき本現象については、「何が起きているんだ」「不具合か?それとも仕様か?」といったユーザーの困惑の反応が見受けられる。
なぜ、このような現象が起きたのだろうか。今回強化が入ったのは、Wキーに割り振られている「ゼファー」と呼ばれるスキルだ。ゼファーは、敵に対して使用すると魔法ダメージとスロウ効果を与えるスキルで、それ以外に「移動速度が割合で増加する」という自己に作用するパッシブ効果を備えている。さらにゼファーの効果は魔力による増加分もある。Riot Gamesが大幅にその値をバフしたことにより、このスピードが生み出されたとみられる。
Vandiril氏の動画では、最終的に770の魔力を得ることで、ジャンナが1550%の移動速度増加を手に入れている。魔力を増加させるほどこの効果は増大していくので、こうした調整が万が一野放しになれば、サポート向けのアイテムに限らず、魔力をより増加させるアイテムを購入する流れになることもありえるだろう。
しかし、前述の通り現在ジャンナに強化が適用されているのはパブリックベータ環境だ。そのため、この調整が正式にそのまま実装されるとは考えにくい。異常な高速移動は一時的な現象で、本実装までには修正されてしまうと思われる。しかし一時だけでも戦場を駆ける“一陣の風”となった彼女を体験したい方は、PBEにてプラクティスを利用してみてもよいだろう。しかしアンフェアな挙動でもあるため、PBEとはいえ対戦での利用は控えたい。