コントローラーの“右側4ボタンややこしい”問題について議論白熱。「東西南北にすればいい」説に注目集まる

コントローラーの「右側にあるボタン」がゲーム機ごとに異なっている点について、ややこしいとの指摘が投じられ議論が勃発。そうした中で投じられたあるアイデアが、分かりやすさからか大きな支持を受けているようだ。

コントローラーの形状はメーカーやゲーム機によって異なり、中でも「右側にあるボタン」はゲーム機ごとにボタンの種類や配置が異なっている。そうした仕様についてややこしいとの指摘が投じられ、議論を巻き起こしている。そうした中で “東西南北”基準のボタン配置のアイデアが投じられ、分かりやすさからか大きな支持を受けているようだ。


今回、「コントローラーの右側にあるボタン」を巡る議論が白熱している。発端となったのは、PlayStationとXboxのどちらのボタンレイアウトの方が“正しい”のか、と疑問を投げかける投稿だ。それに反応する形で別のユーザーが、Nintendo SwitchとXboxとでコントローラー右側にあるABXYボタンの配置は“議論の余地がある”と指摘。Nintendo SwitchもXboxもABは右・下の2つ、XYは左・上の2つに配置されている。しかしAとB、XとYの配置がそれぞれ逆であり、これがややこしいという指摘だろう。どのコントローラーのボタン配置が“正しいか”を決める議論は注目を集め、SNS上で大いに盛り上がっている。


そんな中、あるユーザーが提示した解決策が注目を浴びている。それはボタンの位置を東西南北に見立て、英語の東西南北の頭文字をとったNESWと表記し、配置も東西南北順に統一すればよい、といった提案である。たしかに、東西南北という方角は世界で共通である上に広く知れ渡っている。プレイヤーが住む国や文化を問わず、配置順が直感的にわかりやすくなるだろう。投稿に対する反応にも、賛同を示している人は多い。そのほかにも右側の4ボタンを巡っては多種多様な意見が投じられているようだ。


なおこうした議論が過熱した背景には、これまで「右側にあるボタン」の配置が長らくゲーム機によってまちまちで、混乱を招き続けていることがあるかもしれない。Nintendo Switchでは、上側から時計回りにXABYの配置が採用されているが、この配置は1990年発売のスーパーファミコンを踏襲していると見られる。また任天堂ではハードごとにコントローラーのレイアウトは違うものの、基本的にはAは右側でBは左側、Xは右側でYは左側という配置が採用されている。

一方、マイクロソフトは2001年発売の初代Xboxから現在のボタン配置をずっと採用し続けている。そして先述のとおり、ABとXYがそれぞれ任天堂とマイクロソフトでは反対の配置になっている。そのほか、今回の論争の発端となったソニー・インタラクティブエンタテインメントのPlayStationシリーズでは、代々△○□×ボタンが採用されている。三大プラットフォーマーのコントローラーが三者三様となっており、複数のゲーム機で遊ぶユーザーにとっては特にややこしく感じる側面はありそうだ。

そういった事情も鑑みてか、プレイ中に押すべきボタンを誘導する工夫のあるゲームも存在する。そのひとつとして、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』が挙げられる。同作ではたとえばゲーム内で物を持ち上げるコマンドには、右側のボタンであるAボタンを割り当てている。そのボタンを押す際には、Aボタンを押すように指示する文だけではなく、画面上にボタンの位置まで表示される。直感的に押すべきボタンを判別しやすくする配慮といえるだろう。


ほかにもゲームによっては、ユーザーを混乱させない配慮が見られる作品も存在する。『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』のようなUI上の工夫のほかに、PCゲームでは設定でボタンの表記をPlayStation形式とXbox形式で選択できる作品もある。しかし、こうした機能はすべてのゲームで実装されているわけではない。特にさまざまな機種でゲームを遊ぶユーザーには、依然として混乱が生じる場面はあるだろう。

今回「コントローラーの右側にあるボタン」の配置を巡る議論が白熱しているのは、長きにわたってボタンレイアウトの違いに悩まされてきた多くのユーザーの共感を呼んでいるからかもしれない。プラットフォームによってコントローラーの設計思想も違うと見られ、コントローラー自体を統一するのは現実的な考えではないだろう。とはいえ、せめて右側の4ボタンだけでも、共通のデザインとなることを望むユーザーは多いようだ。




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Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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