『Fallout 4』におけるデスクローのデザインを担当した人物が、「デスクローのポルノ」の存在についてSNS上で複雑な感情を吐露。その動揺をあらわにしたコメントが、注目を集めている。PCGamesNが伝えている。
『Fallout 4』は、 Bethesda Game Studioが手がけ2015年に発売されたアクションRPGゲームだ。舞台となるのは、核戦争で荒廃した世界。プレイヤーは核シェルターVault 111の唯一の生存者として、広大なオープンワールドで生き残っていくことになる。また、核戦争後の世界にはミュータント化した危険な生物が多数存在。なかでも、ジャクソンカメレオンをベースとしたミュータント「デスクロー(Deathclaw)」は獰猛かつ極めて危険な生物だ。デスクローおよびそのバリエーションは、InterplayおよびBlack Isle Studiosが手がけた『Fallout』シリーズ初期作品から通じて、ゲーム内でも恐るべき屈指の強敵、恐怖の象徴として君臨してきた。
今回、そんなデスクローの『Fallout 4』におけるデザインを担当した人物によるとあるコメントが、注目を集めている。その人物とは、デザイナーのJonah Lobe氏だ。Lobe氏は『The Elder Scrolls V: Skyrim』『Fallout 3』『Fallout 4』などの開発にキャラクターアーティストとして参加。ドラゴンやクリーチャーのデザインなどを数多く手がけている。『Fallout 4』でのデスクローのリデザインも手がけており、同作プレイヤーが思い浮かべるデスクローの姿にはLobe氏の手腕が発揮されているわけだ。そしてLobe氏は先ごろ、デスクローを取り巻く文化についてコメントした。その文化とはデスクローを題材にした性的な画像、いわば“デスクローポルノ”である。
Lobe氏はInstagram(およびThreads)と見られるSNS上にて、世に存在する“デスクローポルノ”の多さに言及。「静かに感銘を受けつつ恐怖している」とした。本稿執筆時点ではLobe氏のSNS上に同投稿は見当たらないものの、海外メディアPCGamesNがそのスクリーンショットを記録。また、X(旧:Twitter)ユーザーのDraco Deathclaw氏も同様にスクリーンショットを記録しており、こちらはLobe氏本人もリポスト(リツイート)している。
Lobe氏が感銘と恐怖を受ける“デスクローポルノ”とは、いかなるものか。たとえば、上述のDraco氏は『Fallout』関連のミームを多数投稿しているほか、デスクローに性的な目線を送るような投稿も時折実施。とにかくデスクローに対する捉え方がやや特殊なのは間違いないだろう。そのため、上述の投稿でDraco氏はLobe氏の言葉に対して「責任を感じる」とコメント。その直前にはLobe氏のアカウントに向けて「ごめんな、おっちゃん(Sorry pops)」とカジュアルに謝っている。Lobe氏は直接返答はしていないものの、この謝罪含む一連の投稿に「いいね」をつけているため、まんざら悪く思っているわけでもなさそうだ。
また、デスクローは爬虫類が二足歩行化したミュータントだ。そうした爬虫類要素をもったキャラクターは、いわゆるケモノ(Furry)ジャンルの一角としても一部に人気を誇っている。また、デスクローのデザインには魅力が溢れており、鋭角で暴力的な体躯やしっかりとしたトゲ・ツノ、意外と愛嬌のある顔周り、そして見方によれば淫靡さをも放つ光沢ある鱗など、ほかにも多数が挙げられるだろう。性的に見てしまう者がいるのも無理はない。したがって、ここでは紹介できないものの、“デスクローポルノ”はたしかにネット上に存在する。しかもそこそこの人気である。
自分がリデザインしたデスクローが、そうした視線を対象とされているのを目の当たりにしたLobe氏。動揺するのも無理はないだろう。しかし、愛好家たちがデスクローに心奪われるのも、こだわり抜かれた珠玉のデザインゆえともいえる。同氏が今後手がけるクリーチャーデザインにも期待したい。Lobe氏のArtStationページでは、同氏によるデスクローのレンダリングもじっくり閲覧可能だ。
なお、Lobe氏は最近では、Marvelのスーパーヒーローなどの“解剖図”を多数収録した書籍「Marvel Anatomy: A Scientific Study of the Superhuman」を手がけている。そちらもさまざまな愛好家に喜ばれそうな内容となっているため、チェックしてみるとよいだろう。なお、余談ながら筆者もデスクローはセクシーだと思っている。