アメリカ合衆国第44代大統領Barack Obama（バラク・オバマ）氏は、『大乱闘スマッシュブラザーズ』においてキャプテン・ファルコンを愛用していたようだ。Obama氏と一緒に同作を遊んだ人物が報告し、注目を集めている。これを受けてキャプテン・ファルコンのデザインを担当したゲームクリエイター今村孝矢氏も好意的な反応を示し、キャプテン・ファルコンに扮したObama氏のイラストを描き上げて投稿している。
Obama氏の“持ちキャラ”がキャプテン・ファルコンだと明かしたのはCody Daniels氏だ。Cody氏は難病（病名は伏せられている）を患いながら、NINTENDO64向け『ニンテンドウオールスター! 大乱闘スマッシュブラザーズ』（以下、大乱闘スマッシュブラザーズ）の競技プレイヤーとして活動。現在はポーカープレイヤーとして活躍している人物だ。
Cody氏はボランティア団体「Make-A-Wish」に対して、当時大統領であったObama氏と会うことを願い（Wish）として依頼していたようで、2015年にObama氏との面会が実現したという。Cody氏は先月7月25日に生配信されたポーカー番組「Max Pain Monday」に出演。ポーカー中の歓談にて、かつてObama氏と面会した際に『大乱闘スマッシュブラザーズ』を遊んだときのことを明かしている。
Cody氏は当時競技シーンでの使用キャラとして、フォックスとピカチュウを使っていた。しかしながら同氏は、Obama氏との対戦の際には互角、あるいは相手が有利になるようにネスを使用したという。対するObama氏はキャプテン・ファルコンを選択。Cody氏はObama氏の戦いぶりを「みんなが想像するほど悪くなかった（He wasn’t as bad as you would think）」と評価しており、Obama氏はなかなかの腕前をもっていたようだ。特にキャプテン・ファルコンは腕に自信のある、愛用のキャラだったのかもしれない。
なお「Max Pain Monday」には、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズ作品の元プロ選手であるTafokintsことDaniel Lee氏も同席。Tafokints氏は、Cody氏が語ったObama氏との面会時のエピソードをさらに紹介している。Cody氏はObama氏のゲームの腕前について、ビックリするほど上手く、平均的なカジュアルプレイヤーよりもずっと優れていたと評価。またObama氏との面会ののち、サイン入りの『大乱闘スマッシュブラザーズ』のカートリッジと特別なカードプロテクター付きポーカー用コインを贈呈されたことを明かしていたそうだ。
Cody氏の一連の発言は注目を集めており、海外メディアも報道。Obama氏がキャプテン・ファルコン使いであった点には、元任天堂のゲームクリエイター今村孝矢氏も反応を示している。今村氏は、『F-ZERO』シリーズのメインキャラクターやマシンのデザインや監修を担当していた人物。すなわち、キャプテン・ファルコンの生みの親ともいえる。ほかにも『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』のアートディレクションなど、多数の作品に幅広く携わってきたベテラン開発者だ。同氏は2021年に任天堂を退職し、現在は大阪国際工科専門職大学のデジタルエンタテインメント学科教授を務めている。
今村氏は「オバマさんにこのイラストが届きますように！」といったコメントと共に、キャプテン・ファルコンの衣装に身を包んだObama氏のイラストを投稿。デザインを手がけた今村氏にとって、Obama氏が“キャプテン・ファルコン使い”であったことは嬉しいニュースだったのだろう。
Obama氏は過去に、『Wii Sports』とみられるゲームでボウリングを練習しており、現実よりもゲーム内の方が上手くなったことを明かしていた（The New York Times）。また同氏の大統領在任期間には、ホワイトハウス主催で教育がテーマのゲームジャムが開催。そのほかVRやAR用コンテンツ開発者向けコンテストが開催されるなど、教育分野へのゲームの活用を奨励する施策も見られた。
今回Cody氏により、なかなかの腕前をもつキャプテン・ファルコン使いであったことが明かされたObama氏。ゲーマーとしての経験が、在任期間当時の政策にも反映されていたのかもしれない。
なお今村氏のイラストに対して、Obama氏の公式X（旧：Twitter）アカウントは現時点で反応を示していない。“持ちキャラ”のデザイナー自らが描き上げた自身のイラストを目にしたObama氏が、今後リアクションを見せてくれるのかも注目されるところだ。
ちなみに今村孝矢氏による漫画「OMEGA6」の世界観をもとにしたアドベンチャーゲーム『オメガ6 ザ・ビデオゲーム（仮）』がハッピーミールにより開発中。同氏も開発に全面的に参加しており、Nintendo Switch向けに2023年に配信予定となっている。
