大人気ストリーマーの“PCやPS5などプレゼント企画”が2000人規模の大暴動に発展。逮捕者続出、ストリーマーも勾留
アメリカ・ニューヨークにて現地時間8月4日、人気ストリーマーが呼びかけた「無料プレゼント企画」が暴動に発展。多数の警官が出動し、けが人も出る事態になったという。
今回の事件の発端となったのは、ストリーマーのKai Cenat氏による企画だ。Cenat氏は現在21歳。今年3月Twitchにてサブスクライバー数30万人を突破し、Twitchにてもっともサブスク数を集めた人物となった大人気ストリーマーである。今回、同氏はゲーム機などの無料プレゼント(Giveaway)企画を呼びかけ。本稿執筆現在、そうした告知の記録は削除されており詳細は不明なものの、ギフトカードやPC、PlayStation 5など物品を、ニューヨークのユニオンスクエアにて配布する予定だったという。同企画には、YouTuberであるFanum氏も参加していたとの報道もある(Polygon)。
Cenat氏の呼びかけに呼応し、現地時間8月4日のユニオンスクエアには推定2000人という大勢が集まっていたという。やがてCenat氏が現地に到着しバスから降りると、ファンたちが殺到。同氏はスタッフに守られつつ、群衆の中をどうにか移動するような状況だったとのこと。
事態が混沌を極めるなか、群衆の行動はさらに激化。現地メディアCBSの報道によれば、群衆の一部が建設現場の囲いを破壊し始めたり、警官に向けて物を投げたりといった行動に出始めたという。ほかにも、消火器を群衆に向けて噴霧する者や、モニュメント・車・街灯といったものに登る者も見られたという。無料プレゼント企画に集った群衆が、暴徒と化したわけだ。
そうした状況を受けて、ニューヨーク市警察(NYPD)から現地に約1000人の警官が出動。不法集会であるとして、解散するよう群衆に何度も呼びかけたという。しかし群衆からは物を投げるなどの抵抗も発生し、やがて逮捕者も出ることとなった。波及した影響として、ニューヨーク市地下鉄はユニオン・スクエア駅に停車しない対応を実施したという。また、付近で屋台を営んでいるという69歳の男性が、怪我や物を盗まれる被害にあったとCBSに向けて語っている。
ニューヨーク市警の後の会見によれば、今回の暴動において65人が逮捕され、そのうち30人が米国における未成年(Juveniles)だったとのこと。そしてCenat氏についてもNYPDにより保護・勾留されており、取り調べがおこなわれた。同警察によれば、今回のイベントについては警察やニューヨーク市への申し出や相談もなく、完全に無許可で実施されたとのこと。そのため、Cenat氏は暴動や不法集会を扇動した件などで罪に問われる見込みだそうだ。