『The Last of Us』風のNintendo Switch向けサバイバルゲーム配信停止。トレイラーは“SIEの申し立て”により削除

海外Nintendo Switch向けに配信されていたゾンビサバイバルアクションゲーム『The Last Hope – Dead Zone Survival』が、突然配信停止となった。同作は『The Last of Us』の模倣を試みたのではないかとして注目を集めていた。

海外Nintendo Switch向けに配信されていたゾンビサバイバルアクションゲーム『The Last Hope – Dead Zone Survival』(以下、The Last Hope)が、突然配信停止となった。同作は『The Last of Us』の模倣を試みたのではないかとして注目を集めていた。公式トレイラーについてはソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の著作権の申し立てにより削除されている。


『The Last Hope』は、文明崩壊後の世界を舞台にしたサバイバルアクションゲームとされていた。主人公のブライアンは、悲惨な歴史を書き換えるべく、タイムマシンを使って未来からやってきた人物。本作にてプレイヤーは、ゾンビで溢れる街にてさまざまなミッションに挑戦。武器を入手するために警察署を訪れたり、薬を確保するべく薬局に侵入したり。また、本作ではイヴという名の少女が登場し、プレイヤーと共に行動。弾薬が限られているなかゾンビの群れと戦い、最終的に船で街を脱出し、少女を安全な場所に送り届けることを目指す。

本作は6月30日より海外Nintendo Switch向けに配信されていたものの、今回突然配信終了となった。本作は『The Last of Us』の模倣を試みたのではないかとして海外メディアThe GamerPlayStation Lifestyleなどが報じ、注目を集めていた。『The Last of Us』は、SIE傘下のNaughty Dogが手がけたサバイバルアクションゲームだ。同作の舞台は寄生菌による感染者が徘徊する荒廃した世界。運び屋である主人公ジョエルが、少女エリーを軍の隔離地域から脱出させる仕事を請け負い、共に過酷な旅をおこなう。



『The Last Hope』においては、特にキーアートに『The Last of Us』の影響が色濃く見られた。似たゲームタイトルであるうえ、縦にワードを並べたロゴデザインもそっくり。さらに主人公に同行する少女イヴに至っては、黒い長袖シャツの上に赤い半袖のシャツを重ね着し、バックパックを背負った姿が『The Last of Us』のエリーの風貌に酷似している。そうした点が原因となってか、本作の公式トレイラーは現在SIEの著作権の申し立てにより削除されている。

ちなみに『The Last Hope』は、前出の海外メディアPlayStation Lifestyleから「残念な『The Last of Us』のクローン(Poor The Last of Us Clone)」と表されていた。というのも『The Last Hope』のゲームプレイは、荒削りのシューティングパートで、ひたすらゾンビと戦うようなシンプルな内容であった。テック系メディアDigital Foundryの下記の動画によると、作中の多くの3Dモデルについては、Unityアセットストアの素材をそのまま使用。ロード時間が長すぎるといった問題も抱えていたほか、影の解像度が低かったり会話シーン中キャラが“棒立ち”していたりとさまざまな面の品質の低さが挙げられている。


本作の開発元VG Gamesは、シンプルなコンセプトかつ低価格な作品を多数手がけているメーカーだ。いずれの作品もオーソドックスな内容ではあるが、最近になってゲームタイトルやキーアートに“工夫”をしている様子が見られる。


同社の近作のキーアートを見ると、『Need for Speed』を想起させる『Need for Drive』や、映画「マッドマックス」を彷彿とさせる『Mad Road』などが確認できる。そうした流れの中で、本作『The Last Hope』でも『The Last of Us』を意識したデザインを取り入れていたと見られる。なお本作の価格は、ローンチセールとしていきなり88%オフとされ、イギリスでは0.99ポンド(約180円)となっていた。

『Need for Drive』や『Mad Road』といったタイトルは引き続き海外向けに配信されている一方で、今回『The Last Hope』は配信停止に至ったかたちだ。トレイラーがSIEの申し立てで削除されている点を見るに、配信停止についてもSIEからの申し立てに基づいている可能性はあるかもしれない。いずれにせよ、VG Gamesの、タイトルやキーアートに“工夫”をほどこす方針が今後も変わらず続けられるのかは注目されるところだ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

Articles: 2564