世界が違って見える少年たちの旅路『違う冬のぼくら』アップデートで追加エンディング登場。正式リリースを前にして、エンディングの“続き”を描く

講談社ゲームクリエイターズラボおよびところにょり氏は8月1日、『違う冬のぼくら』にてアップデートver.0.9.0を配信した。同アップデートでは、最終ステージが大幅に変化し、追加エンディングが登場している。

講談社ゲームクリエイターズラボおよびところにょり氏は8月1日、『違う冬のぼくら』にてアップデートver.0.9.0を配信した。同アップデートでは、最終ステージが大幅に変化し、追加エンディングが登場。これまでのエンディングの続きが描かれるそうだ。また8月10日の正式リリース時には、Steam版の価格改定も予定されている。

『違う冬のぼくら』は、家出した少年たちがどこか遠くを目指して進んでいく、2人協力プレイ専用のパズルアドベンチャーゲームだ。本作の主人公である少年たちは、山の上に町長の石像が立てられた町に住んでいた。ある日、石像を壊してやろうと考えた少年たちは、花火で作った爆弾をもって山の入口に集合。家出した2人は、山の頂上を目指して歩みを進める。

しかし2人は、そんなささやかな旅の途中で鹿の死体を発見。少年たちは気がつくと、世界が違って見えるようになっていた。一方の少年には動物の世界、もう一人の少年には機械の世界が見えている。違う世界が見えるようになってしまった、2人の少年の謎多き旅が描かれる。


少年たちは、互いの認識を活かして協力しながら先へ進む。本作はジャンルとしては、2人プレイ専用のパズルアドベンチャーゲームとなっている。箱を動かして足場を作ったり、スイッチを押したり、謎を解いたりしながら、先へ進むことが目的だ。

ただし本作では、少年たちの認識している世界が異なっている。たとえば、一方の少年にはロボットに見えているものが、もう一方の少年には動物のキャラクターに見えるといった具合。認識の違いは見え方だけでなく、フィールド上のオブジェクトの動きにも影響しており、どちらかの世界でしか動かせないモノも存在する。本作では違う世界を見えているプレイヤー2人が、状況を相手と共有して謎やパズルを解いていくわけだ。

公称プレイ時間は3時間から4時間程度で、オンラインマルチプレイに対応。最後には重大な決断も待ち受けているという。なお本作は、国内のゲーム開発者ところにょり氏が手がけている。2023年2月にSteamにて早期アクセス配信が開始。Steamのユーザーレビューでは、記事執筆時点で451件中82%の好評を得てステータス「非常に好評」を獲得している。


アップデートver.0.9.0では、そんな本作に追加エンディングが登場している。あわせて、新ステージや最終ステージの大幅な変更、新ギミックの追加なども実施。追加エンディングでは、これまでのエンディングの続きとなる新たな物語が描かれる。正式リリースに先行したアップデートとなっており、ゲーム内容の追加や変更をともなう大きなアップデートは最後になるそうだ。

6月の発表によると、本作は7万ダウンロードを突破しており、想像を越えて多くのプレイヤーに評価されたのだという。一方で感想の中には、エンディング後についての要望が多かったとのこと。そこで、開発者のところにょり氏は、本作を愛してくれた人しかたどり着けない場所に物語の続きを書いてみようと、当初のプロットにはなかった物語を制作。同じときを過ごした少年たちが紡いでいくこれからの物語が、少しだけ垣間見れる内容になっているそうだ。


またアップデートにあわせて、本作Steam版の価格改定と、フレンドパス版の廃止が発表された。正式リリース後の本作は、全プラットフォームで710円となるそうだ。まず本作はSteamでは、これまで通常価格税込1420円で早期アクセス配信されてきた。フレンドパスと呼ばれる、友達と遊ぶための仕組みも存在。どちらか一方のプレイヤーが購入していれば無料でプレイできるため、通常価格の1420円は2人分の値段となっていた。

8月10日の正式リリースにあわせて、そんなフレンドパスが廃止となる。正式リリース後の本作では、Steam/Nintendo Switch/iOS/Android間のクロスプラットフォームでのマルチプレイに対応する。一方で、個人開発では全プラットフォーム上でフレンドパスを整備・保全していくのは難しいため、フレンドパスの廃止が決定。開発者のところにょり氏としてもなんとか存続したかったというが、パブリッシャーと共に熟慮を重ねた末に廃止となったようだ。

また価格については、フレンドパス版の廃止にあわせて、1人あたりのプレイ金額に変動が生まれないように、1420円から710円になるそうだ。なおフレンドパス版は、8月10日の正式リリースにあわせて廃止となり、新規ダウンロードも停止される。ところにょり氏のTwitter(X)アカウントでは、購入済みで未プレイのユーザーに向けて、8月10日までにダウンロードして、プレイしてほしいと呼びかけている。

違う冬のぼくら』は8月10日、Nintendo Switch/PC(Steam)/iOS/Android向けに正式リリース予定。価格は710円となる。また本作はSteamにて早期アクセス配信中だ。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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