Valveは7月25日、『Team Fortress 2』のアップデートをリリースした。多数の調整・変更点のうちとある変更がプレイヤーたちから大いに注目を集めている。これまで最大32人だったサーバー内同時プレイ人数の上限が、突如として“非推奨”との注意書きのもとで最大100人まで引き上げられたのだ。プレイヤーたちはこの「お祭り騒ぎ」に殺到し、SNS上ではそれぞれが見た50vs50の様子が次々とアップロードされている。
『Team Fortress 2』はValveが2007年に発売したマルチプレイオンライン対戦FPS。現在は基本プレイ無料で配信されているほか、初心者から上級者までカジュアルに遊べるFPSだ。プレイヤーは特徴的な技能をもった9つのクラスを自分のプレイスタイルにあわせて選択可能。ゲームモードはフラッグ奪取、コントロールポイント、ペイロード、アリーナ、キングオブザヒルなどを複数収録。その特徴的ながらも親しみやすいキャラクタービジュアルも含め、Steamにおける定番FPSとして根強い人気を誇っている。
本作『Team Fortress 2』は7月13日の大型アップデート「Summer 2023」配信開始後には、最大同時接続プレイヤー数25万3397人を記録(SteamDB)。リリース後16年以上が経つ本作が、過去最高記録を更新した(関連記事)。そうした盛り上がりを見せた後の7月25日、今回公開されたパッチノート内では、さまざまなバグ修正や調整の中に「通常のサポート対象外かつ非推奨」という但し書きとともに、「同時プレイ人数上限を100人まで引き上げた」という記述があったのだ。
これを受けた本作プレイヤーたちは、早速ゲーム内コミュニティサーバーモードにて参加上限100人設定のサーバーが複数立ち上げはじめる。そこで広がる光景は過剰な負荷による同期ズレ・描画遅延(キャラクターの瞬間移動など)、さながら都会の雑踏を思わせるオープンボイスチャット(VC)の嵐だ。プレイヤーたちがこぞってこの「お祭り」の見物に訪れ、そこで各自が見た様子はTwitter・YouTubeをはじめとする各種SNS上で続々と拡散されていった。
本来であればFPSプレイヤーにはおよそ歓迎されがたいはずのラグ頻発・VC乱発というこの状況。ところが多くのプレイヤーたちに歓迎され、今現在もサーバーが複数立ち並ぶ賑わいを見せている。この背景には、本作のもつ16年という長い歴史の影響が考えられる。本作にはさまざまなゲームモードが存在するものの、プレイヤーたちはそうしたルールを長年繰り返し遊び続けてきた。そこに、公式は”非推奨”としているものの、突然マッチングの参加プレイヤーをこれまでの3倍近く増加させる手段が登場したわけだ。100人参加マッチは、ほかのモードとは異なる楽しみ方が可能であり、新鮮さやお祭り気分を求めてか多くのプレイヤーが集っていると見られる。
本稿執筆時点でも100人ほぼ満員状態のサーバーが確認できたほか、ある程度の安定性を高めるためか、上限60人前後のサーバーもいくつか存在している。そちらにおいても従来のプレイ人数では考えられないほど混沌とした戦闘が繰り広げられており、先日の大型アップデートで急増したプレイヤーたちの格好の遊び場となっているようだ。興味をもった人はこの賑わいを直接見物しにいってみるのもよいだろう。なお前述のとおり、ゲームの快適な動作は保証されておらず、絶えずオープンVCが飛び交う状況が予想されるため、あらかじめ注意されたい。
『Team Fortress 2』はPC(Steam)向けに基本プレイ無料配信中だ。