ビジュアルアーツは7月27日、株式譲渡によりテンセント・ホールディングスの子会社になることを発表した。子会社化にあわせて、同社の社長・馬場隆博氏は退任。馬場氏はしばらくの間、相談役としてサポートをおこなっていくそうだ。
ビジュアルアーツは大阪に本社を構える、ゲーム開発などに携わってきた企業だ。美少女ゲームなどを制作してきたブランド「Key」の運営元でもあり、同ブランドからは『Kanon』『CLANNAD』「Angel Beats!」といった作品が展開。直近では、KeyはWFS(Wright Flyer Studios)と共に『ヘブンバーンズレッド』を手がけている。発表によると、ビジュアルアーツは社長を務めてきた馬場隆博氏が、これまで100%の株式を保有してきたそうだ。一方のテンセント・ホールディングスは、中国の大手IT企業である。テンセントのグローバルブランド「Level Infinite」からは、『幻塔』などが展開中。ゲーム関連会社や開発スタジオなどへの提携/出資/子会社化なども積極的におこなっており、直近では7月24日に『ダイイングライト』シリーズ開発元のTechlandの主要株主となっている。
今回の発表では、国内の企業ビジュアルアーツが、テンセントの子会社となることが明らかになった。ビジュアルアーツは株式譲渡により、テンセント・ホールディングスの100%出資の子会社になるそうだ。あわせて。ビジュアルアーツの社長を務めてきた馬場隆博氏は社長を退任し、天雲玄樹(丘野塔也)氏が新社長へ就任。馬場氏は相談役となり、しばらくサポートに徹していくそうだ。なおビジュアルアーツは、6月期決算では過去33年で最高の収益を達成したという。株式譲渡譲渡の理由は業績の不振ではなく、馬場氏の年齢を考慮した、会社の今後を考えた末の決断であるようだ。
ビジュアルアーツでは、株式譲渡の前に相手先企業を選定。同社やKeyが「世界に通じるIPを創造する」というコンセプトを活かせることや、同社自身やコンテンツを愛してくれること、世界に発信できることなどを基準に、親会社候補を厳選して、アプローチをおこなったのだという。その結果、最終的に契約合意となったのが、テンセント・ホールディングスだったそうだ。
また発表によるとビジュアルアーツは、テンセントの子会社化後もビジュアルアーツのまま、スタッフがやりたいことを続けていけることになりそうだという。今後については、しっかり物語の品質を上げ、継続的に感動できる物語をしっかり作っていきたいとコメント。いろいろと計画が進んでおり、大きな資本が関係する案件も舞い込んでいるそうだ。