『ダイイングライト』シリーズ開発元Techland、中国テンセントとの提携を発表。テンセントはスタジオの“主要株主”に
Techlandは7月24日、中国のIT大手テンセントと提携することを発表した。テンセントが同スタジオの主要株主となる契約が締結されたという。
Techlandはポーランドに拠点を置くスタジオだ。西部劇をテーマとするアドベンチャーFPS『Call of Juarez』シリーズや、パルクールアクションが特徴のゾンビサバイバルFPS『ダイイングライト』シリーズなどを手がけてきた。『ダイイングライト』は2016年に発売され、2022年4月時点で累計販売本数が2000万本を突破している人気作。続編となる『ダイイングライト2 ステイヒューマン』は2022年2月に発売され、同月だけで累計販売本数が500万本を突破していたという。
今回、Techlandはテンセントと提携することを発表した。発表によるとテンセントは同スタジオの主要株主になるとのこと。また発表では、Techlandはテンセントとの提携により、同スタジオがビジョンをもつゲーム開発を全速力で進めることができるとしている。テンセントがすでに世界有数のゲーム会社との提携をおこなっていることも、提携の決め手のひとつだったそうだ。
なお提携後もTechlandは、IPの完全な所有権を引き続き保持。クリエイティブな観点での自由を維持しながら、同スタジオが正しいと信じる方法で運営を続けていくとしている。またスタジオのCEOも、Paweł Marchewka氏が引き続き務めるそうだ。
テンセントは『League of Legends』『VALORANT』開発元のRiot Gamesや、『Conan Exiles』のFuncom、『Warframe』のDigital Extremesを抱えるLeyouなどを傘下にもつ。またEpic GamesやActivision Blizzard、Ubisoftなど、世界中の数多くのメーカーに出資している。2021年7月に『リビッツ! ビッグ・アドベンチャー』などの開発元Sumo Groupを買収。同年12月には『Back 4 Blood』の開発元Turtle Rock Studiosを買収していた。
一方で2022年には買収とは違ったかたちで業界への出資を拡大。同年8月にはフロム・ソフトウェアが、テンセントの子会社であるSixjoy Hong Kong Limitedおよびソニー・インタラクティブエンタテインメントから約364億円の資金を調達していた。またテンセントは、Ubisoftの関連企業に対して約3億ユーロ(約430億円・当時のレート)の増資をおこなっている(関連記事1、関連記事2)。
今回のTechlandとの提携におけるテンセントによる出資や株式取得の規模は明かされていないものの、テンセントは同スタジオの“主要株主になる”という。テンセントの強力な資本をバックにTechlandがどのような新作を作るのか、注目されるところだろう。