「ポケモンカードゲーム」の売買をめぐり、Yahoo! JAPANと株式会社ポケモンが協定締結。ヤフオクとPayPayフリマの転売対策など強化へ

ポケモンおよびYahoo! JAPANは7月25日、消費者が安心・安全にトレーディングカードの取引をおこなえるように取り組む、相互協力協定の締結を発表した。

株式会社ポケモンおよびヤフー株式会社(以下、Yahoo! JAPAN)は7月25日、消費者が安心・安全にトレーディングカードの取引をおこなえるように取り組む、相互協力協定の締結を発表した。


Yahoo! JAPANはネットオークションサービス「ヤフオク!」とフリマアプリ「PayPayフリマ」を運営している企業だ。一方の株式会社ポケモンは『ポケットモンスター』に関連する事業を展開し、IP関連作品のプロデュースやライセンス管理を担当している。今回の発表によると、両社は協定として「相互協力の覚書」を締結。消費者が安心・安全にトレーディングカードの取引をおこなえるように取り組んでいくという。対象となる商品は「ポケモンカードゲーム」のようだ。本協定に基づく両社の主な連携・対策としては、以下のような取り組みが挙げられている:

<ポケモン>
・Yahoo! JAPANに対して、新商品の発売情報、商品情報などの情報を提供すること
・Yahoo! JAPANに対して、ポケモンの権利を侵害する出品など「ヤフオク!」および「PayPayフリマ」の利用用規約等に違反する出品について通報すること

<Yahoo! JAPAN>
・ポケモンからの情報提供に基づき、「ヤフオク!」および「PayPayフリマ」のサイト等において利用規約等の遵守を注意喚起すること
・利用規約等に違反する出品の削除対応をすること

【利用規約等に違反する出品の例】
・発売日前の出品など、商品の現物を手元に確保していない出品
・権利侵害品の出品
・内容が不明瞭な複数枚のトレーディングカードの出品

「ヤフオク!」と「PayPayフリマ」においては、これまでも独自のガイドラインを設け、規約違反の商品の削除やパトロールなどがおこなわれてきたという。今回の協定により、そうした独自の取り組みに加えて、株式会社ポケモンと継続的に協議・連携のうえでも対策が実施されていくそうだ。

なお株式会社ポケモンは、先月6月にも株式会社メルカリとの包括連携協定を締結したことを発表していた。こちらでは、両社が商品情報や発売情報を事前に共有し、新商品発売前後の注意喚起・権利侵害対策など緊密に連携し、ユーザーの混乱を回避して安全・安心に取引ができる環境構築を目指すとされていた。またこちらの協定の主要な対象商品も「ポケモンカードゲーム」と見られる。

「ポケモンカードゲーム」においては、オンラインマーケットプレイスにおいて高額転売をおこなうユーザーの存在がしばしば指摘されている。投機的なカード購入と販売をする行為が報告され、メルカリなどのオークションサイトは主要な売買プラットフォームと目されていた(関連記事)。また、4月の「ポケモンカードゲーム スカーレット&バイオレット」新拡張パック発売の際にも、レアカードを巡って高額転売が確認されている(インサイド)。今回、株式会社ポケモンはメルカリに続いてYahoo! JAPANとも緊密な連携を取り、オンラインマーケットプレイス上での問題の対策を図るかたちだろう。


なお「ポケモンカードゲーム」の新商品としては、7月28日に拡張パック「黒炎の支配者」(希望小売価格税込180円)、およびデッキビルドBOX「黒炎の支配者」(希望小売価格税込4200円)が発売予定。「転売等の営利を目的とした商品購入を固くお断りする」といった声明が発表されている。また拡張パック「黒炎の支配者」については、ポケモンセンターオンラインにて受注販売も実施予定とのこと。詳細は8月下旬に案内されるそうだ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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