“Nintendo Switch 2”なるゲーム機画像が出回るも、ユーザーに偽物と見抜かれる。なぜかさらに怪しいゲーム機を生み出すユーザーたち

Nintendo Switch(有機ELモデル)

SNS上で「Nintendo Switch 2」なるゲーム機のパッケージ画像がリークと謳われて投じられ、注目を集めている。一方で画像には怪しい部分が多いことから、多数のユーザーにより“偽者(fake)”と判断されているようだ。なぜかこの画像に対抗して、さらに怪しいゲーム機の画像を“Nintendo Switch 2”として投じているユーザーも見られる。

Nintendo Switch(有機ELモデル)


Nintendo Switchは任天堂が開発を手がけ、2017年3月に任天堂から発売されたゲーム機だ。携帯モードおよびテーブルモードと、TVモードを使い分けられる点が特徴。取り外し可能なJoy-Conが本体に付属している。2019年8月には、バッテリー持続時間が長くなった新モデルが発売。さらに同年9月にはJoy-Conと本体が一体化して携帯モードに特化した「Nintendo Switch Lite」が発売された。また2021年10月にはNintendo Switchをベースに、本体画面が有機ELディスプレイになるなどの変更が加えられた「Nintendo Switch(有機ELモデル)」がリリースされた。

Nintendo Switchは発売から6年以上が経ち、シリーズとして複数のモデルが発売されている一方で、任天堂による次世代機の存在は現状では発表されていない。そうした中で今回、SNS上では“Nintendo Switch 2”なるゲーム機のパッケージ画像が出回っている。一方でこの画像については、怪しい部分が数多く指摘されており、多くのユーザーからフェイク画像と判断されているようだ。

*ゲームについてのトピックを扱う人気YouTuber・RGT 85氏が出回っている画像を紹介し、「13歳以上でこの画像を本物だと信じるような人間はFBIに監視されるべき危険分子だ」との見解を示している。


画像におけるパッケージには「Nintendo Switch 2」と表記されており、ゲーム機の画像も確認可能。タブレットとJoy-Con風のコントローラも確認可能で、Nintendo Switchと比べて丸みを帯びている。一見するとそれっぽいものの、細部には不自然な点も見られることが指摘されている。特にゲーム画面に映されたホームメニュー風の画像には各所に怪しい部分が存在。たとえば『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』のタイトルは、画像では「The Legend Of Zelda: Tears Of The Kingdom」と表示。一方で同作の英語公式表記は『The Legend of Zelda: Tears of the Kingdom』であり、Nintendo Switch上でも同様の表記が用いられている。つまり画像では、公式表記とは違って「of」や「the」にまでアルファベットの大文字が使われているわけだ。

そのほか画像のメニュー内ではさまざまなゲームが並んでおり、中には『Xenoblade Definitive Edition』も含まれている。ただし同作のメインビジュアルにも不自然な点がある。同作の英語版タイトルは『Xenoblade Chronicles Definitive Edition』であり「Chronicles」の文字が抜けているのだ。そのため画像には、同作日本語版のメインビジュアルが用いられていると見られる。画像内のほかの作品はほぼすべて英語版と見られ、なぜか同作のみ日本語版のメインビジュアルが表示されていることになる。


そもそも“Nintendo Switch 2”というネーミングも怪しい。任天堂はこれまでゲーム機にナンバリングを付けたことがない。たとえば「Wii」の後継機は「Wii U」、「ニンテンドーDS」の後継機は3D液晶にちなんだ「ニンテンドー3DS」であった。通例どおりであれば、Nintendo Switchの後継機に「Nintendo Switch 2」が命名される見込みは薄いだろう。

なお怪しい“Nintendo Switch 2”画像はユーザーたちからネタにされており、一部ユーザーは「もっと怪しいNintendo Switch 2」画像を投じてなぜか対抗心を燃やしているようだ。画面が折りたたみ可能になったようなゲーム機や、液晶に4つのコントローラが組み合わさったゲーム機など、見た目は派手ながら必要性には疑問符のつく機能が備わった“Nintendo Switch 2”画像などが投じられている。


また下記のユーザーは、液晶に方向キーとスティックなどが盛り込まれた謎のコントローラと、さらにその下にJoy-Conがくっついたゲーム機を“Nintendo Switch 2”として投稿。Joy-Conと謎コンでボタンが被りまくっており、ボタン配置面でもかなり操作しづらそうだ。ほかにもさまざまなユーザー反応が見られるものの、発端となった“Nintendo Switch 2”の画像について多くのユーザーはまともに取り合わなかった様子だ。


初期モデルのNintendo Switchの発売から6年以上が経ち、任天堂による次世代機の動向は多くのユーザーやメディアが注目している。そうしたなかでリークと謳われて投じられた“Nintendo Switch 2”の画像ながら、多くのユーザーらは冷静に不自然な点を見つけ出し、フェイクであると判断した様子だ。なお過去には、任天堂の機密情報をハッキングによって盗んだリーク者に懲役3年の判決が下ったこともある(関連記事)。リークには厳粛な対応がなされているほか、次世代機の情報については情報の管理も徹底されていることだろう。

なお、任天堂の代表取締役社⻑・古川俊太郎氏は今年5月に開催された2023年3月期決算説明会の質疑応答にて、Nintendo Switchの後継となる次世代機について言及している。それによると任天堂では、新しいユニークな娯楽を提供していくために、どういった面白い提案ができるかを常に考えて将来に向けたさまざまな開発を進めているとのこと。また、どのように次のハードウェアに移行していくかは、これからの非常に重要な課題になると捉えているそうだ。ただ現段階では、Nintendo Switchの稼働をしっかりと維持・拡大し、ビジネスの勢いを維持することが最優先事項だと考えているとのことであった。