『Apex Legends』開発者、「新シーズンではランクシステムを必ず調整する」と約束。“マスターランク100万人”突破、課題の多い新システム

『Apex Legends』シーズン17ではランクマッチのシステムが刷新されたものの、賛否が分かれる状態となっている。今回、海外掲示板Redditにて開発者が次シーズンでのランクシステムの調整を約束する一幕があった。

Apex Legends』シーズン17ではランクマッチのシステムが刷新されたものの、賛否が分かれる状態となっている。今回、海外掲示板Redditにて開発者が次シーズンでのランクシステムの調整を約束する一幕があった。


『Apex Legends』シーズン17では新レジェンド・バリスティックが実装されるなど、新たな要素が複数登場。さらに今シーズンでは、ランクマッチの仕様も大幅に変更された。従来のランクポイント(RP)が廃止され、代わりの指標となるラダーポイント(LP)が登場。また今シーズンでは、プレイヤーの腕前によって変動する内部的な指標MMR(マッチメイキングレーティング)を利用した新たなマッチメイキングシステムが導入されているという。

ランクマッチでのポイント獲得量にも変化が加わり、キル数を増やすのではなく高い順位に到達することで従来以上にポイントを獲得可能となった。さらにキル時の獲得LPにも変化があり、MMRが上のプレイヤーを倒すことでボーナスが付与されるように。格上のプレイヤーに勝てばさらなるLP獲得が見込めるようになった。大きな変化が加わった一方で、一部ユーザーやプロ選手からは課題点も多く指摘されている状況にある。


今回、海外掲示板Reddit上の本作コミュニティにて、あるユーザーがランクマッチのリザルト画面をスクリーンショットして投稿。同ユーザーは試合にて702LPを獲得してマスターランクに昇格している。一方でユーザーはスレッドタイトルに「この瞬間がもっと報われるものであったならよかったのに」と記載。つまり現状でのマスターランク到達に複雑な思いを抱いているわけだろう。


開発者の反応とユーザーからの批判

本スレッドには本作のライブテクニカルデザイナーを務めるrspn_exgeniarことAaron Li氏が登場し、このユーザーのマスターランク到達を称賛した。特に同ユーザーが142LPものスキルボーナスを獲得している点から、MMRが上の相手と戦って苦境を乗り切ったことに賛辞を送っている。

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しかしながらAaron氏の反応には、スレッド内のユーザーから批判やDownvote(低評価)が寄せられることになった。特にボーナスLPについては昨今、試合によってはまったく獲得できない現象が発生していることが報告されている。算出方式が不明瞭なスキルボーナス・レートボーナスだけでなく、キルなどをおこなっても撃破ボーナスが獲得できないケースもあるようだ。スレッド内でもボーナスLPを獲得できない場合があることに不満を寄せるユーザーは散見される。Aaron氏によるボーナスLPについての言及が、そうしたユーザーから不興を買った可能性はあるだろう。

Redditユーザーから批判を受けたAaron氏は、スキルボーナスの算出方式について説明。プレイヤーとマッチ内のほかのプレイヤーのMMRに基づいておこなわれていると述べている。つまり少なくともスキルボーナスについては、基本的には不具合はなく正常に算出されているとの説明だろう。

また別のユーザーは、現状のランクマッチのシステムそのものを開発チームは問題視していないのかと指摘。そのうえで、次のシーズンでの変化を期待してもよいのかを訊いている。これに対してAaron氏は「次シーズンではかならず変化がもたらされる(You can definitely expect changes next season)」と返答。何らかの調整がおこなわれることを約束した。

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新ランクシステムが抱える課題

シーズン17のランクマッチでは先述のとおり、キル数を増やすのではなく高い順位に到達することで従来以上にポイントを獲得可能となった。たとえばシーズン16では1位/2位/3位入賞時の獲得ポイントがそれぞれ125RP/95RP/70RPであった。対して今シーズンではそれぞれ200LP/175LP/150LPに変更。キル数を稼ぐのではなく生き残ることが重要なシステムとなったわけだ。

一方で今シーズンでは各ランクでの参加LPが35に一律化。上位に入賞できた際の獲得LPの多さから、ランクが上がりやすすぎるといった指摘も寄せられている。またこうした変更により、高い順位を目指すために積極的に戦闘しないプレイヤーが増加。いわゆる野良で遊ぶ場合に、パーティと行動を共にせず逃げ隠れし続けるプレイヤーが出現していることも問題視されている。なおシーズン17開幕直後には、米国のeスポーツチームNRG所属のプロ選手のsweetdream氏が「0キル0ダメージ」でプレデターに到達。新システムのバランス面での課題を開発チームに抗議する一幕もあった(関連記事)。


本作のデータ集積サイト「Apex Legends Status」のTwitterアカウントによると、現時点でのマスターランクのプレイヤー数は100万人以上にものぼるという。各プラットフォームのランクマッチ上位750名であるプレデターランクも含めると、101万7412人ものプレイヤーが、上位ランクに位置しているそうだ。

同サイトによると、ランクシステムが刷新される前のシーズン16のスプリット2時点でのマスターおよびプレデターランクのプレイヤー数は1万9352人。それ以前のシーズンでも2万人~10万人で推移しており、新システム導入後には、マスターおよびプレデターランクのプレイヤー数が大きく膨れ上がっていると見られる。また同サイトによると、本稿執筆時点でマスターランクに19.2%のプレイヤーが存在。マスターランクにプレイヤーが集中しているようだ。

なおシーズン17では新ランクシステム導入に伴って、従来採用されていたスプリット制が廃止された。そのため一部を除くほかのシーズンと比べて長い集計期間となるものの、それを加味しても今シーズンのマスターおよびプレデターランクのプレイヤー数は異常な多さといえる。

Image Credit: Apex Legends Status


公式サイトによると、今シーズンではマッチメイキングにLPではなく、MMRが参照されるようになったとされている。つまり多くのプレイヤーが同じランク帯が偏っていても、腕前に応じたマッチメイキングが期待できるわけだろう。一方でプレデターのひとつ手前であるマスターランクに約20%のプレイヤーが集中している点を見るに、ランク分けシステムがほとんど意味をなさない状態にあるといえる。マスターランク到達までに大きな苦労を要した以前のシーズンに比べて、ランク上げの達成感は損なわれているかもしれない。

また安定したランク上げを目指す場合には、上位入賞を狙って戦闘に消極的な方針がとられる場合も多いだろう。キルを重ねる必要がなくなりランク上げにおける戦略の幅が広がった一方で、戦闘的なプレイスタイルを気に入っていたプレイヤーからは物足りないとの声もある。そうしたフィードバックを受けて今後開発チームがどのように折り合いをつけていくのかも注目されそうだ。

いずれにせよ今回、Aaron氏によりシーズン18でランクシステムに何らかの調整がおこなわれることが約束された。ゲーム内表記によるとシーズン17は日本時間8月9日まで。通例どおりであれば、その後シーズン18が始まる見込みだ。現時点ではランクシステムにどのような変更がおこなわれるのか不明なものの、新シーズンが近づくにつれて続報が明かされていくことだろう。

『Apex Legends』では現在シーズン17「アーセナル」が開催中だ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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