『クラフトピア』大型アップデート後人気爆発。シームレスアップデートでユーザー急増、その反響を開発元に訊いた

『クラフトピア』に向けて先日6月28日に、大型アップデート「シームレスアップデート」が配信開始され好評を博している。こうした反響を『クラフトピア』開発元ポケットペアはどのように捉えているのだろうか。

国内のゲーム開発会社ポケットペアが手がける『クラフトピア』。本作は2020年9月より早期アクセスとして配信開始され、現在Xbox One/Xbox Series X|S/PC(Steam/Microsoft Store)向けに配信されている。

本作に向けて先日6月28日に、大型アップデート「シームレスアップデート」が配信開始された。従来のマップが廃止され、広大で“シームレス”なマップが実装。また新アクションが追加されたほか、バランス調整も実施されている。「シームレスアップデート」というテーマではあるが、ゲーム全体が大きく変化しているわけだ。

同アップデート配信直後からSteamでの同時接続プレイヤー数は急増を見せており、ピーク時には1万人を突破(SteamDB)。SNS上でも長時間にわたってトレンド入りするなど、アップデートを受けた大きな反響が見られる。

こうした反響を『クラフトピア』開発元ポケットペアはどのように捉えているのだろうか。このたび弊誌は同社代表取締役社長・溝部拓郎氏(以下、溝部氏)に、プレイヤー数急増への感想や、本アップデートの注目点などを訊いた。

── プレイヤー数が爆増していますが、チームはどう感じていましたか。予想していましたか。

溝部氏:
チーム一同、ここまで大きな反響を頂けるとは思っていませんでした。クラフトピアというタイトルを遊んでいただいているユーザーの皆様に感謝するばかりです。

── Twitterのトレンド入りし続けております。なぜこうした盛り上がりが起こったと考えていますか。

溝部氏:
2020年9月に早期アクセスを開始したクラフトピアですが、当時はさまざまなゲームを組み合わせるコンセプトはもちろん、意図しないバグやそれらを利用したゲームプレイが話題になり、プレイヤーの皆様を始めとしたゲームコミュニティにとても応援されていたと感じておりました。一方で、アーリーアクセスとして未完成な状態で公開したので、コンテンツ量も不足しており、クオリティとしてもご満足いただけない部分もあったと思います。

リリース直後は毎日更新をおこない、プレイヤーの皆様のご期待に応えるために全力で開発を進めていましたが、1年程度開発を継続した後、1日、1週間の短い開発スパンではとても改善出来ないような抜本的な課題が見え始めてきました。そのうちもっとも大きかった課題が「異なるマップへ移動する際のローディングによってプレイ体験が損なわれる」という点でした。開発当初からこの懸念は存在していたのですが、開発工数の関係上、仕方なく割り切ってローディングを挟む設計にしていました。しかし結果として、マルチプレイヤーゲームで、あるプレイヤーが別のマップへ行く際に全員が同時に移動しなければならないというのは、現代では許容出来ないと判断し、ゲーム自体を抜本的に作り変えることを決断いたしました。

これが「シームレスアップデート」に繋がるキッカケです。プレイヤーの皆様には大変お待たせしてしまい申し訳なかったのですが、並行してプレイヤーの皆様から受けたフィードバックをできる限り盛り込んだ結果、2年もかかってしまいました。今回の反響は、これまで「シームレスアップデート」を待望してくださったプレイヤーの皆様方の応援の熱量が、リリースを経て一気に高まったものだと理解しています。2年もの期間、アップデートを待ってくださって、ただただ感謝しかありません。


── 今回の盛り上がりは、早期アクセス期間を通じて何番目ぐらいの盛り上がりでしょうか。

溝部氏:
リリース当初に次ぐ、大きな波が来ていると考えております。一般に買い切りゲームというものは、リリース直後がもっとも盛り上がるものですが、リリースから3年近く経過したこのタイミングでこれだけの盛り上がりが発生するというのは非常に珍しいことなので、とても嬉しく思っています。

── 以前インタビューで日本人プレイヤーが多い(30~40%)ということでしたが、国別プレイヤー比は変わりましたか。

溝部氏:
リリース直後は日本、中国のプレイヤー比率が高かったのですが、実はそこから米国のプレイヤー比率が徐々に高まっており、Steam全体の言語比率に近づいていっていました。今回の「シームレスアップデート」後は、やはり最初に認知して下さっているのが日本の皆様なのか、30%以上が日本のプレイヤーとなっており、日本での盛り上がりを実感しております。

── シームレスアップデートはゲームとしての体験がかなり変わる内容ですが、特にどうしたところに注目してほしいでしょうか。

溝部氏:
『クラフトピア』自体が、あらゆる要素のいいとこ取りのようなゲームなので、特定のどこ、というのは難しいのですが、実は拠点構築をおこなうタイプのゲームで、これだけマップが広くて自由なゲームは珍しいと思います。サバイバル系のゲームだと存在するのですが、そちらはファストトラベルなどの便利機能はありません。意外とバランスの良いゲームになっていると思うので、『マインクラフト』のような拠点構築の面白さと、オープンワールドゲームの冒険を両立した楽しみを、ぜひ味わって頂けると幸いです。

── 大型アップデート後に発見した、面白い遊びをひとつ紹介してください。

溝部氏:
ペットが早速想定もしていない暴走をしていたので、笑ってしまいました。

またAIチャット機能についても注目してほしいです。

── ありがとうございました。

『クラフトピア』は、Xbox One/Xbox Series X|S/PC(Steam/Microsoft Store)向けに早期アクセス配信中だ。Steamでは「Summer Sale 2023」の対象タイトルとなっており、7月14日午前2時まで定価2570円の40%オフとなる1542円で販売中。




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Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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