『フォートナイト』Twitch配信者、数十万円相当のビッツ寄せられ「髪の毛全剃り」を実行するも、返金処理され“剃り損”。返金の騙し討ち的悪用か
『フォートナイト』の長時間プレイ配信に取り組んでいたTwitch配信者が、多額のビッツの寄付を受けて頭髪と眉毛をすべて剃った。しかしながら、寄付は後にすべて返金処理されてしまい、“剃り損”となってしまったとのこと。
『フォートナイト』は、Epic Gamesが開発・運営するTPSゲームだ。今回の出来事の主役となったのは、Twitchで活動するストリーマーのLacy氏。同氏は『フォートナイト』を中心としたプレイ配信などで人気を集めている人物だ。同氏の現在のTwitchフォロワー数は8万人以上となっている。
Lacy氏は日本時間で6月19日の朝より、Subathon(Bitathon)企画を実施していた。これは、視聴者がチャンネルにサブスクライブしたり、ストリーマーにTwitch上の仮想有償アイテム「ビッツ(Bits)」を贈るなどするごとに放送時間を伸ばす“配信マラソン”的企画だ。さまざまなストリーマーがこうした企画を実施しており、人気配信者が約1か月連続というロングラン配信に及んだケースがある。
Lacy氏の配信マラソンは「100ビッツで25秒、1サブスクで2分」とのレートを基本として実施されていた。ほかにも、5万ビッツ毎といったマイルストーンを達成すると「配信24時間延長」「辛いお菓子を食べる」「Lacy氏が髪の毛を染める」といった“罰ゲーム的行動”を実行する仕組みも盛り込まれていた。50万ビッツ(日本向けレートでは約100万円相当)という多額のビッツを集めたLacy氏が次に設定した“罰ゲーム”は「頭を剃る」だった。配信マラソンを開始して3日目のことだ。
かなりキツめの罰ゲームを前にしつつも、投げ銭されるビッツの量もゆるやかになった……かと思いきや、流れは突然変化した。とある視聴者が、突然11万を超えるビッツ(約22万円相当)を寄付。さらにその後、別のユーザーが大量のビッツを続けざまに寄付し、またたく間に20万ビッツ(約40万円相当)以上を投じた。「頭を剃る」のマイルストーンはやすやすと突破され、Lacy氏はバリカンを手に取った。
自分で決めた罰ゲームながら、不本意そうにバリカンを頭に走らせるLacy氏。視聴者は大盛り上がりとなっているものの、同氏は断続的に怒声をあげている。そんな様子を楽しむかのように、大量寄付者はさらにビッツを投入。10万ビッツを一挙に投入したユーザーに対してLacy氏は「もうビッツ送るな……10万ビッツ!!」と怒りとも喜びともつかない反応を見せている。最終的にこの大量寄附者は25万ビッツ(約50万円相当)以上をLacy氏に送ることとなった。Lacy氏は、頭髪はもちろん眉毛までも“全剃り”することとなった。
そして、悲劇はこの後に訪れた。上述の大量寄付者が、寄付したビッツの返金処理をおこなったのだという。大量の寄付ビッツはなかったことになり、Lacy氏はいわば「剃り損」となってしまったわけだ。こうした出来事は話題となり、インフルエンサーのJake Lucky氏などが紹介。海外メディアKotakuも取り上げ、Lacy氏にインタビューを実施している。
Kotakuのインタビューによれば、大量寄付者からはビッツの返金について「なんの説明もなかった」という。さらに寄付者は、自身のTwitchのアカウントを停止し、Twitterと『フォートナイト』内においてLacy氏をブロックしたとのこと。そして、Lacy氏のもとには、同じ寄付者から同様の被害を受けたという報告もDMで寄せられたという。いずれも、多額のビッツを寄付され、その後取り下げられた格好となっているようだ。
なおLacy氏は、頭を剃り上げた当初は、意外とまんざらでもなかったという。しかし、同氏は自分の髪の毛が好きだったといい、さらに罰ゲームとして髪の毛をピンク色に染めた。そのため、今の気持ちとしては「この見た目で公の場に出たくない」と意気消沈を語っている。
なお、Lacy氏はその後も配信マラソンを継続。本稿執筆時点で12日目に突入しており、127万2000ビッツの寄付を集めている。返金処理された分をはるかに超える額のビッツを集めているわけだ。なお、次の目標としては150万ビッツ時点で「Drake Heart」を実行すると掲げている。これは、ラッパーのDrake氏が頭髪のソリコミで表現しているハートマークのことだろう。このままビッツが集まった場合、最終的にLacy氏はどこに行き着くのだろうか。
今回の「送られたビッツが返金処理された」との行為は、あくまでもLacy氏の証言。しかしいずれにせよ「多額のビッツを寄付し、返金処理で引き上げる」という騙し討ちのような行為が起きうる可能性を示しているだろう。Twitchの返金ポリシーでは、技術的な問題などの事情がないかぎり返金はできないとされ、悪用も固く禁じられている。
また、Lacy氏の証言のように、複数のユーザーが騙し討ち的行為を受けている可能性もあるだろう。こうした被害を受けないためには、まず無理な罰ゲームといった企画は避けた方がよいかもしれない。もしもそうした行為を受けた場合には、Twitchの運営側にその旨しっかりと伝えることが重要となるだろう。