『崩壊:スターレイル』ヘルタの「クルクル人気」がなぜか女子高生にまで到達。もはやヘルタ関係ないクルクルーフィーバー

 

崩壊:スターレイル』のヘルタの「クルクル人気」が、ゲームコミュニティ外に及んでいるようだ。女子高生などもクルクルにあわせて遊んでおり、なかなか楽しげに広まっている。


『崩壊:スターレイル』は、『原神』や『崩壊3rd』なども展開中のブランドHoYoverseから配信中の、スペースファンタジーRPGである。舞台となるのは、星神(アイオーン)と呼ばれる神や、災厄の源「星核」などが存在する世界。プレイヤーは星核を埋め込まれたハンターとして、星核にまつわる謎を突き止めるべく冒険に出かけていく。

ヘルタは、宇宙ステーション「ヘルタ」の主だ。優れた知能をもつ大科学者であるが、共感性に欠け、言動もかなり突飛な不思議ちゃん。プレイヤーの前には遠隔で操作できる人形の姿で登場。実態は不明な存在ながら、かわいらしい外見でトリッキーな言動と活躍を見せる。日本語版の声優は山崎はるかさんが担当している。


そんなヘルタのあるセリフが、SNSを賑わせているようだ。ヘルタはパーティーメンバーとして参加し、追加攻撃時には「クルクルー」「クルリン」と言いながら敵に攻撃。このセリフに妙な中毒性があるとして、人気を博していることをお伝えした(関連記事)。


弊誌の取り上げ前から人気だったこの「クルクルー」はゲームコミュニティの外にも飛び出しているようだ。「クルクルー」はなぜか女子高生コミュニティにまで着弾、学生たちが「クルクルー」のBGMをもとに踊っているのだ。発信源はそう、TikTokである。

発端となったのは、?みかん?氏の投稿だと見られる。ベースとなった音源は、『スーパーマリオワールド』のエンディングBGMにあわせて、ヘルタが回る人気動画の音声だ。楽しげな音楽を背景に、ヘルタが「こんな大きなダイヤモンド、見たことないでしょ。あげるねー」と切り出し、クルクルするという構成の音楽となっている。ヘルタのクルクルミームにおいて、よく使われるMAD(切り貼りの二次創作動画)素材だ。?みかん?氏はこのBGMに『スプラトゥーン3』のガールがタンサンボムを振る映像をあてた。この音源が、かわいいとして、猛烈にバズっているようである。この音源をベースに、すでに約1万5000件の動画が投稿されている。

https://www.tiktok.com/@hatena_mikann/video/7241505480974126337


映像内容を見ると、そのほとんどの投稿者がかなり年若いと見られる女性たち。制服率も高い。人気なのが、おでこに猫のエフェクトをつけて、その猫の表情にあわせて自分の顔を変える遊び。音源がかわいらしく、かつ猫エフェクトにあわせて喜怒哀楽のある表情で自分をかわいらしく見せるツールとして好評を受けているようだ。あるいは、黒背景に自分の好きなキャラを描いて回らせるという遊び。こちらの方がまだ元ネタの原型をとどめている。というか、この音源にあわせてクルクルしているユーザーがあまりいないというのが興味深い。


TikTokなどにおいては、ゲームの音楽やサウンドが元の文脈から完全に独立し、独自の愛された方をするということはままある。ノコノコ演出(関連記事)やココナッツモール(関連記事)など任天堂サウンドではこうした用法が顕著。また『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』においては、同作に収録されたSasakure.UK氏作曲による「トンデモワンダーズ」が、YouTuberセイキン氏の踊りをあわせたMADをベースに流行を見せた。クルクル人気もまた、『崩壊:スターレイル』やヘルタの手の届かないところまで飛躍を遂げているようだ。


なお、ゲームエイジ総研の調査レポートによると、『崩壊:スターレイル』のプレイヤーは『原神』と比べるとかなり男性が多いと報告している。あくまでメーカーではない第三者機関による報告であるが面白いデータだ。そんな中で、『原神』と比べるとややプレイヤー層から遠ざかる10代女性(と見られる人々)に、独自の形で愛されているのは、興味深い現象である。なお、「こんな大きなダイヤモンド、見たことないでしょ。あげるねー」というセリフは、倍速プレイ状態だと「こんな大きなダイヤモンド、あげるねー」となる。この短縮版は短縮版で人気のようである。

『崩壊:スターレイル』は、PC/モバイル向けに配信中。PS5向けにも展開予定だ。





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