『フォートナイト』にて「ほぼ隠れるだけ」で最高ランクに到達したプレイヤー現る。ぬるっと生き残る“草むらキャンプおやじ”

 

フォートナイト』のランクプレイにて、あるプレイヤーが最高ランクである「アンリアル」へ到達した。『フォートナイト』といえば豊富な武器とアイテム、そして自由自在な建築システムでさまざまな方法から勝利を目指すことができるゲーム。そんな多種多様な戦い方ができる本作で、そのプレイヤーは、“ほぼキルせず”に最高ランクへ到達したという。

『フォートナイト』は、Epic Gamesが開発・運営する基本プレイ無料の人気オンラインゲーム。2017年からサービスが開始され、数年かけてさまざまな要素を実装されてきた。そんな本作にて、先月5月にランクプレイが導入された。ランクプレイとは、実力に応じてシルバー、ゴールドなどのランクが用意され、実力の近いもの同士で戦いながらランクアップを狙うゲームモード。最高ランクとしては「アンリアル」が用意されている。ほかのオンラインPvPタイトルでも多く導入されている競技性の高いゲームモードが、アリーナプレイに置き換わる格好で『フォートナイト』にも導入されたかたちだ。


そんなランクプレイにて、あるプレイヤーが“ほぼキルなし”でアンリアルへの到達を果たした。そのプレイヤーはTwitchで「bushcampdad(草むらキャンプおやじ)」という名前でゲームを生配信。その名のとおり、積極的に戦闘に参加せず草むらなどに隠れてじっとする、いわゆる“キャンプ”を中心とした立ち回りで本作をプレイしてきたプレイヤーだ。本作のランクシステムの評価は、主に「マッチ内の順位」と「そのマッチにおける敵プレイヤーの撃破数」が基準となる。bushcampdad氏はマッチ内の順位によるポイント獲得を目指すため、敵との接触はできるだけ避け、ギリギリまで生き残ることで少しずつランクを上げるプレイに徹してきたわけだ。

bushcampdad氏の配信を見ると、基本的に敵プレイヤーと接触することはない。配信中のほとんどは激しい戦闘ではなく、穏やかな風景の映像となっている。特にマッチ序盤では、島にすらいないことが大半だ。ストームエリア範囲内にある海などの水辺にプカプカと浮かび、のんびりと待機。そこからエリアの収縮に合わせ、ゆっくりと移動。島に入っても、最終収縮まではできるだけ草むらなどに隠れ戦闘をやり過ごす。収縮を終えストームがゆっくりと動きだすとそれに合わせ隠れるように移動し、最後の1人を目指していくわけだ。なお同氏のスキンは草むらに同化しやすい緑色のエイリアン姿。「ヒューマンビル」のスキンカラーをグリーンにしているのだろう。

Image Credit: bushcampdad on Twitch


アンリアルへ昇格した時も、bushcampdad氏はいつもどおり変わらず、木々に隠れてやり過ごす戦法を続けていた。しかし途中で見つかり、スナイパーにより撃沈。結果は5位であったが、わずかなポイントを獲得してアンリアルへの昇格に至った。一方で同氏はあまり喜ぶ素振りを見せず薄目の反応。アンリアルの全プレイヤー中の順位2万8960位に到達したことに今ひとつ実感がわかない様子であった。


なお別のバトルロイヤルゲームである『Apex Legends』では「0キル0ダメージ」で最高ランクであるプレデターに到達した事例がある(関連記事)。動画や配信の規格として「戦闘をしない、キルを取らない」プレイスタイルは過去にも存在したわけだ。しかし、bushcampdad氏はそのように企画を立ててプレイしているわけではない様子。配信内でも、決して殺さないプレイをしているわけではなく、人数が少なくなれば武器を手にとって戦うし、危険が迫ればやむなく戦闘をすることもある。同氏のTwitchのプロフィールには、「『フォートナイト』は苦手で、キャンプ中はノートパソコンで仕事をしています」と書かれている。つまり企画ではなく、『フォートナイト』が苦手だからこそ、あえて戦闘を避けるスタイルで遊んでいたのだろう。ちなみに同氏は現在50歳で、17歳と15歳の息子がいるそうだ。

『フォートナイト』のランクプレイはまだ実装されて約1か月ほどであるが、ほぼキルせずに最高ランクまで到達することができることが証明されたかたちとなる。先述の『Apex Legends』含め、バトルロイヤル作品においては戦闘をおこなわずに最高ランクに到達できる点をゲームバランスとして問題視する見方もある。一方でbushcampdad氏の戦法は『フォートナイト』が好きだけどあまり得意でないプレイヤーにとっては、ある種の希望の星となった側面もあるだろう。同氏は、アンリアル到達後も、変わらぬ戦法で、プレイヤー内の順位上げをおこなっており、本稿執筆現在で1076位まで順位を上げている。ランクシーズン終了までどこまで順位を上げることができるかも注目されるところだ。