『ディアブロ 4』幻の隠しエリア探索に執着するプレイヤー続出。開発者が“無い”と断言した「牛エリア」、それでも探し続ける

『ディアブロ 4』にて「開発者が存在を否定している隠しエリア」を探し求めるプレイヤーが出現している。そうしたプレイヤーたちは、「牛」に異常に執着しているのだ。

ディアブロ 4』にて「開発者が存在を否定している隠しエリア」を探し求めるプレイヤーが出現している。そうしたプレイヤーたちは、「牛」に異常に執着しているのだ。その背景には、牛と隠しエリアにまつわる本シリーズの歴史があった。


『ディアブロ 4』は、人気ハクスラARPGシリーズ『ディアブロ』の最新作だ。本作の舞台は前作『ディアブロ III』から数十年後となる。ゲームプレイやグラフィックを大幅にパワーアップし、140以上のダンジョンなどを実装。過去作の魅力を踏襲しつつ、豊富なキャラクターカスタマイズや、さまざまなゲームプレイ要素を盛り込んで新たな冒険が描かれる。本作は6月6日にリリースされ、その後5日間で6億6600万ドル以上(約940億円)の売上をあげる盛況とされる。

そんな本作にて、「The Secret Cow Level(秘密の牛エリア)」なる場所を探し求めるプレイヤーが続出している。Redditでは、牛エリアを追い求める者が隠しエリア発見の“手がかり”を集めて投稿。コメント欄にも数多くの牛エリア探索者が集まり、牛に関連した情報を持ち寄っている。たとえば「ある雄牛の像を調べるとメッセージが出る」といった報告や、牛が発生する場所のリストのほか、「マップ上で牛の首のように見える部分がある」との意見も投稿されている。

この様子だけを見れば、多くのプレイヤーが突然おかしくなってしまったように見える。しかし、狂気の牛探しの背景には、『ディアブロ』シリーズの歴史がある。というのも、『ディアブロ II』には実際に「秘密のモーモー牧場」こと、「The Secret Cow Level」が存在していたのだ。

*『ディアブロ II』のモーモー牧場
Image Credit: Diablo Wiki / Flux


『ディアブロ II』に登場したモーモー牧場は、とある手順によって入場可能な隠しエリアだった。隠しエリアの中には、二足歩行する牛の大群と牛王が存在。エリアに踏み入ると牛の大群に追いかけ回されるという、悪ふざけのような内容となっていた。また、モーモー牧場はレベル上げやトレジャーハンティングの場所としても活躍。多くの『ディアブロ II』プレイヤーがお世話になり、思い出に残っている場所でもあるのだ。

また「牛が登場する秘密エリア」は、初代『ディアブロ』ファンコミュニティにおいて発生したネットミーム的な噂を開発陣が受けて、『ディアブロ II』で実現したとされる。『ディアブロ III』においても「Not the Cow Level(牛エリアじゃない)」としつつ、大量の牛が登場する特殊エリアとして登場した。英語版Wikipediaには牛エリアについてのページが存在するなど、歴史ある隠しエリアなのである。『ディアブロ 4』で血眼になって牛を探すユーザーたちは、そうした経験を踏まえた上で「牛エリアがある」と信じて情報をつなぎ合わせているわけだ。


ただし、今作における秘密の牛エリアについては開発スタッフがその存在を否定している。本シリーズのゼネラルマネージャーを務めるRod Fergusson氏が、Kinda Funny Gamesによるインタビューで明かしていた。同氏は、『ディアブロ 4』がゴシックでダークな世界観を大切にしていると語り、それゆえに「過去作のような隠しエリアは存在しない」と明言したのだ。つまり、現在『ディアブロ 4』ではいくら牛エリアを追い求めようと、そこに辿り着くことはできないだろう。

*該当箇所は動画36分ごろ


一方でFergusson氏は、そうした隠しエリアが将来実装される可能性は否定せず、むしろ前向きな姿勢を見せている。長くタイトルを運営していれば、実装できるコンテンツの幅も広がっていくとの考えのようだ。また、秘密の牛エリアを追い求めるプレイヤーたちの間では、将来の牛エリア登場を示唆するような検証結果もあげられている。今は存在しなくとも、頑なに信じていれば、いつか『ディアブロ 4』でも牛と再開できるかもしれない。

ディアブロ 4』は、PC(Battle.net)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに発売中だ。

Sayoko Narita
Sayoko Narita

貪欲な雑食ゲーマーです。物語性の強いゲームを与えると喜びますが、シューターとハクスラも反復横とびしています。

記事本文: 1856