「ポケモンカードゲーム」の売買をめぐり、メルカリと株式会社ポケモンが協定締結。緊密連携で転売対策などを強化へ

 

株式会社メルカリおよび株式会社ポケモンは6月13日、フリマアプリ「メルカリ」上にて、ポケモン関連商品が安心・安全に取引できるよう取り組む、包括連携協定の締結を発表した。


株式会社メルカリは、ユーザーが不要なものを出品し売買するフリマアプリ「メルカリ」などを運営している。一方の株式会社ポケモンは、『ポケットモンスター』に関連した事業を展開し、IP関連作品のプロデュースやライセンス管理を担う企業だ。今回の発表によれば、両社は共同で協定「マーケットプレイスの共創に関する覚書」を締結したという。

同協定の主要な対象商品は、トレーディングカードゲーム「ポケモンカードゲーム」のようだ。同カードゲームを展開する株式会社ポケモンとメルカリが商品情報や発売情報を事前に共有し、新商品発売前後の注意喚起・権利侵害対策など緊密に連携し、ユーザーの混乱を回避して安全・安心に取引ができる環境構築を目指すという。

具体的には、ポケモン側は特定の新商品に関する情報や画像などをメルカリ側に提供。同社Webサイトでの注意喚起の実施およびポケモンカードゲーム自体の生産強化や販売方法の工夫を実施するとのこと。一方のメルカリ側は、株式会社ポケモンからの情報提供に基づき、「メルカリ」アプリ上や公式ブログで特定の新商品に関する注意喚起を実施。また、株式会社ポケモンと協議の上合意した特定商品については、同アプリ利用規約に違反する出品への削除対応を実施していくという。


「メルカリ」はフリマアプリとして、多数の利用者を誇る一方で高額転売をおこなうユーザーの存在もしばしば指摘されていた。家庭用ゲーム機などの高額転売のほか、「ポケモンカードゲーム」についても投機的なカード購入と販売をする行為が報告され、「メルカリ」はその主要な売買プラットフォームと目されていた(関連記事)。また、4月の「ポケモンカードゲーム スカーレット&バイオレット」新拡張パック発売の際にも、レアカードを巡って同アプリなどでの高額転売が確認されている(インサイド)。今回、メルカリと株式会社ポケモンが、緊密な連携を取り、そうした状況に本格的に対策を打っていく姿勢を明確にしたかたちだろう。

なお、「ポケモンカードゲーム」の新商品「ポケモンカードゲーム スカーレット&バイオレット 強化拡張パック ポケモンカード151」は、6月16日に発売予定。こちらは、受注生産形式での販売を実施するとして注目を集めている。また、同商品については株式会社ポケモン側より、「転売等の営利を目的とした商品購入を固くお断りする」といった声明がさっそく発表されている。これも、包括的な取り組みのひとつなのだろう。本商品BOXの受注受付期間は、2023年6月15日15時から、6月21日15時までとなる。




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