侍と子猫と精霊の2Dアクション『The Spirit of the Samurai』正式発表。美しく恐ろしい和風世界を、ストップモーションで描く

Kwaleeは6月11日、『The Spirit of the Samurai』を正式発表した。本作は封建時代の日本を舞台とした2Dアクションゲームだ。

パブリッシャーのKwaleeは6月11日、『The Spirit of the Samurai』を正式発表した。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Games ストア)/Atari VCS。2024年発売予定。

『The Spirit of the Samurai』は封建時代の日本を舞台とした2Dアクションゲームだ。本作の世界では、鬼が不死者の軍勢を率いて地上を侵略しようとしている。プレイヤーは侍のタケシとなり、村を守るため妖怪やアンデッドの群れと戦うことになる。敵は天狗やジョロウグモなど、日本の民話や伝承をモチーフとしたものが登場。廃村や洞穴、墓地などの薄暗いロケーションを妖怪と戦いながら進み、鬼の居城を目指すことになる。


操作可能なキャラクターは侍のタケシのほかに、精霊のコダマ、子猫のチサイの3体が存在。3体の魂は、運命によって結び付けられているという。それぞれのキャラクターしか通れないところがあると示唆されており、場面ごとに操作キャラクターを切り替える必要があるようだ。公開されている映像では、タケシとコダマは刀を使って戦闘している一方、チサイは敵から隠れている姿が目立つ。子猫のチサイを操作する際は、ステルス行動が重要になるのかもしれない。戦闘においては、タケシは刀のほか槍と弓を使用可能。また、コダマは衝撃波のようなものを放っている。キャラクターごとに違った技が用意されているようだ。敵を倒した経験値でアビリティを解放・強化していく要素も存在するとのこと。習得したそれぞれの技を組み合わせて、カスタムコンボを繰り出すこともできるという。いろいろな武器や技を使っての戦闘が楽しめそうだ。



本作のキャラクターの動きは、ストップモーション・アニメーションを利用して描かれているとのこと。ストップモーション・アニメーションはコマ撮りとも呼ばれる、アニメーションの撮影技術のひとつ。静止している物体を一コマごとに少しずつ動かして撮影し、動いているようにみせる技法のことだ。クレイアニメや人形アニメなどで使われることが多く、ゲームに使われるのは珍しい技法といえるだろう。トレーラーでは主人公たちや妖怪が、独特の緩急のついた動きをしているところが確認できる。こうした表現技法も本作の魅力となりそうである。

本作を開発するDigital Mindはスペインに拠点を置くスタジオ。2002年に設立され3Dアニメーションスタジオとして活動、映像作品などに携わってきた。2018年よりゲーム制作に参入し、子猫の冒険を描くモバイルゲーム『Kitty Quest』などを開発。2020年には『The Spirit of the Samurai』のティザームービーを発表している(関連記事)。その後Kickstarterで本作のクラウドファンディングキャンペーンを実施したが、目標額に到達しなかった。しかしクラウドファンディングに失敗したあとも、Digital Mindは本作の開発の可能性を探り続けたようだ。パブリッシャーの協力を得てついに正式発表までこぎつけたという。3Dアニメーションスタジオとして長年のキャリアを持つDigital Mindが情熱をもって制作する、暗く美しく恐ろしい和風世界での冒険に期待したい。

『The Spirit of the Samurai』は2024年発売予定。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Games ストア)/Atari VCS。

Akihiro Sakurai
Akihiro Sakurai

気になったゲームは色々遊びますが、放っておくと延々とストラテジーゲームをやっています。でも一番好きなのはテンポの速い3Dアクションです

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