「13日の金曜日」対戦ホラーゲーム『Friday the 13th: The Game』12月末に販売終了へ。ライセンスを更新しないことにより

 

パブリッシャーのGun Mediaは6月8日、『Friday the 13th: The Game』を現地時間2023年12月31日に販売終了すると発表した。本作は映画「13日の金曜日」を題材としており、その使用ライセンスが失効するためだという。なおゲームの所有者は、少なくとも2024年12月31日までゲームをプレイ可能とのこと。

『Friday the 13th: The Game』は、映画「13日の金曜日」をゲーム化した1対7の非対称型マルチプレイホラーゲーム。開発はIllFonicが手がけ、2017年5月にPC/ PS4/Xbox One向けに発売された。その後、2018年8月にナツメアタリより国内PS4版が、2019年8月に国内Nintendo Switch版が発売されている。

本作にてプレイヤーは伝説の殺人鬼ジェイソンと、キャンプ場を訪れた若きカウンセラーたちに分かれて対戦。ジェイソンの目的はカウンセラーたちを追い詰めて命を奪っていくこと。カウンセラーたちの目的はキャンプ場から脱出するか、時間切れまでジェイソンの追跡を逃れる、あるいはジェイソンを返り討ちにすることだ。

今回、本作の海外公式Twitterアカウントは『Friday the 13th: The Game』のライセンスが現地時間2023年12月31日に失効することを発表した。同日をもって本作ディスク版およびデジタル版の販売が停止されるとのこと。ただしゲームを所有している場合は、少なくとも2024年12月31日までゲームをプレイ可能だという。またライセンス失効に向けて後日価格改定も実施される予定。ゲーム本編は14.99ドルから4.99ドル(約700円)に、各DLCは0.99ドル(約140円)に値下げされ、販売終了までこの価格が継続されるそうだ。

本作では非対称対戦ゲームであることや、原作のロケーションやサウンド、処刑アニメーションの再現といった要素が注目を集め、配信直後はアクセス過多が発生するなど、盛り上がりを見せていた。その後アップデートが続いたものの、2018年6月に雲行きが怪しくなる。というのも、映画「13日の金曜日」1作目の脚本家Victor Miller氏と権利保有会社Horror Inc.との間で版権争いが勃発。それに巻き込まれる形で2018年6月に開発の無期限停止を余儀なくされたのだ。訴訟の状況を受け、作品権利の所在が曖昧な状態で開発リソースを割く訳にはいかないという判断であった(関連記事)。

その後2018年9月には開発元がIllFonicから日本のBlack Tower Studiosにバトンタッチ。新規コンテンツは作れないものの、バグ修正やメンテナンスなどは継続されてきた。先述したようにコンテンツ開発終了後の2019年にはNintendo Switch版が発売。ゲームのサポート自体は続いていた。一方で2020年11月には最終アップデートとあわせて専用サーバーが停止。元々採用されていたP2Pの接続方式に戻ることとなった(関連記事)。


ちなみに今年1月には同じく「13日の金曜日」を題材としたパズルゲーム『Friday the 13th: Killer Puzzle』が、ライセンス切れで配信停止となっていた(関連記事)。権利問題によって紆余曲折を経てきた本作『Friday the 13th: The Game』も、2023年12月31日をもってライセンス失効による販売停止となるかたち。「13日の金曜日」を巡る権利問題からか、ライセンスを更新しない選択をとった(あるいはライセンスを更新できなかった)事例となった。

なお『Friday the 13th: The Game』のパブリッシャーGun Mediaからは、映画「悪魔にいけにえ」を題材とする『Texas Chain Saw Massacre』が8月19日にリリース予定(関連記事)。別の人気ホラー映画の殺人鬼を起用した新たな作品が打ち出される格好だ。

『Friday the 13th: The Game』はPC(Steam)およびPS4/Nintendo Switch向けに発売中だ。Gun Mediaがパブリッシングを務めるSteam版については現地時間2023年12月31日に販売停止予定。ナツメアタリがパブリッシングを担当する国内PS4/Nintendo Switch版も同日で販売停止となるかは本稿執筆時点で不明となっている。