任天堂の看板キャラクターのひとりであるクッパが、34歳ではないかとの指摘があがっている。発端となったのは、「マリオ」シリーズのトリビアを紹介するTwitterアカウント
Supper Mario Broth。任天堂が公開したとある映像をもとに、クッパの年齢が34歳であると指摘したのだ。
クッパは、「マリオ」シリーズに登場するキャラクター。たびたびマリオの前に立ちはだかり、ピーチをさらう。時にマリオと共闘することもある。容貌としてはカメのような見た目であるが、口から炎を吐いたりもする。カメ族の大魔王とされているが、その出生については謎が多い。
特に謎なのは、何歳であるかだ。口調としては「ワガハイ」。口調や言動としては、それなりに年はいってそう。そして息子としてクッパJr.がいる。一方で年齢については謎が多い。マリオの年齢は『大乱闘スマッシュブラザーズDX』にて「26歳前後」との記述あり（なお宮本茂氏は過去にマリオは24～25歳くらいとコメント）。また『ヨッシーアイランド』にて、マリオとクッパがベビィ状態にて登場していたことからマリオと同年齢程度であることを踏まえ、クッパも26歳もしくは少し上程度ではないかと推測されていた。
しかしここにきて、34歳説が浮上している。根拠となるのは、米任天堂が公開した「How-To Series」の新動画だ。この動画では、やたらムーディーなサウンドをバックに、ニンテンドーアカウントの作り方を映像つきでガイドしている。ファミリーメンバーを追加する手順など、仔細にわたり案内しているわかりやすい動画だ。
が、注目したいのは、このガイダンスで登場する個人情報である。この動画におけるニンテンドーアカウントの作成主は、なんとクッパ（Bowser）なのである。クッパの個人情報を見てみよう。性別としては男、居住地はアメリカ合衆国。そして生年月日は1989年2月5日と記載されているのだ。つまり、このクッパなる男性は34歳のようである。続いて見ていこう。ファミリーメンバーの追加に際して、12歳以下の家族としてBowser Jr（クッパJr.）を登録。この子供の生年月日は2010年3月3日。現時点の年齢を算出すれば、13歳の子供である。
クッパとクッパJr.は、「Nintendo みまもり Switch」のイメージキャラクターだ。同アプリでは、親が子供のNintendo Switchのプレイ時間をチェック可能。時間に合わせてアラームを出したり、遊べる時間を設定したり。親が子供のゲームのプレイを見守るためのアプリなのだ。親子がテーマであるということで、クッパとクッパJr.が起用されている。それゆえに、ニンテンドーアカウント関連の動画として今回登場したクッパとクッパJr.は本人である可能性が濃厚。
あのクッパの公式設定が34歳であるとして、海外を中心にコミュニティで騒ぎになっているわけだ。なんとなく知っていた架空のキャラに、突如として34歳という現実味のある設定が付けられたことにより、界隈に衝撃が走っている。なおSupper Mario Brothによると、マリオシリーズのキャラにおいては、公式に生年月日が明かされたのは初めてだという。そうした意味でも、衝撃の大きさがわかる。
一方で、この34歳のクッパが本当に“我々の知るクッパ”であるかどうかは不明。というのも、Bowserという名前は現実世界でも使われている。というか、現在の米任天堂社長の名前にBowserが入っている。なお社長のDoug Bowser氏は、現在57歳である。いずれにせよ、動画の親子が違うBowserさんである可能性は否めない。さらに、なんとも不思議なシーンが、前述したガイダンス動画には存在。というのも、クッパがファミリーメンバーを追加する際に、最初にマリオを招待している。
たしかにクッパは作品によってマリオと友好関係を結ぶこともあるが、クッパとマリオが家族であるという設定は、なかなか不思議。かなりの親密っぷりを匂わせる。クッパとマリオが家族で、その下にクッパJr.がいる……というのは、なんともしっくりくるような、こないようなところがあるだろう。映像内には、クッパやマリオ、あるいはクッパJr.が姿として出てこないところもポイント。あえて公式に、同名のキャラ本人だとはっきりさせないようにしているようにも思える。表では衝突もするこの3キャラは実は裏では、3人で家族として暮らしている……そんな匂わせすら感じられる。ちなみに、家族としてマリオを招待するシーンにおいては、マリオの名前を表示させている時間がやたら長くこの点も意味深である。
とはいえ、米任天堂は特にそうした考察を誘うつもりはなく、単に一般的な名前を出すことでトラブルになること避けるために、とりあえず自社キャラの名前を使った可能性もある。これで「クッパは34歳」と言い切るのは、少し根拠に欠いているものの、マリオとクッパの関係性含めて、この事例を使ってキャラたちの設定を考えるのも楽しそうである。
