Steam高評価自由探索RPG『Wartales』“いかにして60万本売ったか”について開発者が回答。ただただ透明性を上げ、ユーザーと向き合う

Shiro Gamesが開発し、今年4月に正式リリースとなった『Wartales』は当時「60万本以上を売り上げた」と報告されていた。海外マーケティング調査機関が、本作のそうした人気の理由を開発者に訊いている。

Shiro Gamesが開発し、今年4月に正式リリースとなった『Wartales』は当時「60万本以上を売り上げた」と報告されていた。海外マーケティング調査機関GameDiscoverCoが、本作のそうした人気の理由を開発者に訊いている。

『Wartales』は中世ヨーロッパ風の世界が舞台の見下ろし型オープンワールドRPGだ。かつて存在していたエドラン帝国が疫病で崩壊して100年が経ち、名誉など意味をもたない過酷で危険な時代。プレイヤーはそんな世界で成り上がりを目指すひとりの人間として傭兵団を運営する。傭兵を集めて各地を巡り、富を築いて自分だけの部隊を作り上げるのだ。


戦闘はグリッド状のフィールドでのターン制バトルが採用されている。基本的に魔法などが存在しない世界で、剣や斧を振り回す血なまぐさい戦闘が繰り広げられる。傭兵たちは特性や得意武器などが異なる個性ある存在、誰を仲間にしどのように育成するかでパーティの戦略は大きく変わることになるだろう。

戦うだけでなく傭兵団の運営もする必要がある。部隊は定期的に野営を行い、給料を払って食料を配給しなくてはならない。リソースを管理しながら、依頼をこなしたり洞窟を探検したり、アイテムクラフトや狩りをおこなったりして旅を続けていく。既成のストーリーを強制されず世界観の提供にとどまっているため、冒険の過程そのものが自分だけの物語になっていくゲームだ。Co-opモードも存在しており、最大4人で同時に遊ぶことができる。Steamユーザーレビューの非公式分析サイトSteam Scoutによると、レビュー投稿者の35%が100時間以上プレイしており、長時間プレイに耐える奥深さがあるといえそうだ。


本作を手がけるのは、フランス、ボルドーに拠点を置く開発会社Shiro Gamesだ。中心メンバー15名程度という比較的小規模な開発態勢にもかかわらず、本作はSteamにて売上・評価いずれも好調だ。2021年12月の早期アクセス配信開始から約1年半を経た正式リリース後には、本作が全期間を通じて60万本以上売り上げたことが報告されている。また、本稿執筆時点でSteamユーザーレビューは1万5000件中91%が好評とする「非常に好評」ステータスとなるなど、好評を博している。どうやって成功を収めたのか、GameDiscoverCoが、開発者にインタビューしている。

開発元ディレクターQuentin Lapeyre氏によると、早期アクセス配信期間中の取り組みが重要だったという。早期アクセス配信を開始した『Wartales』はSteamニュースハブをしっかりと管理し、アップデートの内容を明確に示すようにした。さらにわかりやすいロードマップを定期的に発表し、開発の透明性を保ったそうだ。


また、新しい王国の追加やCo-opモードの導入など大きなアップデートの際は慎重に調整を行い、より小さなアップデートの実装時もコミュニティの意見に耳を傾け、ユーザーのフィードバックを考慮して改善に努めたという。そうした小さな改良の積み重ねが90%以上のSteamユーザーレビュー好評率および好調な売上につながったようだ。

早期アクセス配信ゲームが正式リリースに到達するまでには、さまざまな方法論があるだろう。そのなかで透明性とフィードバックを重視したという『Wartales』の手法はひとつの成功モデルといえるかもしれない。

『Wartales』はPC(Steam)で販売中だ。

Akihiro Sakurai
Akihiro Sakurai

気になったゲームは色々遊びますが、放っておくと延々とストラテジーゲームをやっています。でも一番好きなのはテンポの速い3Dアクションです

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