株式会社ポケモンは5月25日、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』(以下、ポケモンSV)に向けて更新データVer.1.3.1を配信開始した。招待制にて開催されていた非公開の公式大会にて発生していた不具合が修正されているとのこと。
『ポケモンSV』は、『ポケットモンスター』シリーズの最新作。開発はゲームフリークが手がける。本作では、オープンワールドを舞台に、境目なくシームレスに広がる街や大自然が楽しめる。オンライン対戦機能も存在し、トレーナーたちがしのぎを削っている。
本作にて5月14日に開催されていた招待制インターネット大会「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2023 本戦」では、本来意図していない挙動が発生する不具合が確認されていた。具体的な問題については、本大会に出場していたビエラ選手などが報告。同じ対戦相手と連続でマッチングすることがあり、3連続での対戦が起こったケースが報告されている。大会中は同じパーティを使用する都合上、同じ相手とのマッチングではパーティの相性が悪いと大きく不利になってしまうなどの問題があるわけだ。
そのほかの問題として、大会中に試合が強制的に連続でおこなわれるため、仕様上は休憩なしでの参加を強いられる点などが指摘されていた。また近年の公式大会で備わっていたはずの、自分の大会中のレートや順位といった戦績を確認する機能が本大会ではなくなっていたという。本大会では、自分が規定数まであと何戦残っているのかなども確認できない仕様となっていた。
また試合切断にまつわる問題も報告されている。ゲーミングチームUmbraのアルカナ選手は、規定の試合数に満たず順位なしと判定されたことを報告している。同選手は既定の試合数である10戦ちょうどをこなしていたとのこと。同氏は、10戦中の数試合で相手による切断を受けた可能性が濃厚と見ており、そうした試合が規定の試合数としてカウントされなかったと推察している。しかし、故意・不具合いずれにせよ切断によって、規定の試合数を満たすことができず順位なしと判断される可能性がある点は出場者にとって大きな懸念だっただろう。
5月17日には『ポケットモンスター』公式Twitterアカウントが、本大会において不具合が発生していたことを報告。さらに出場者に向け、今後の対応の案内が送付されたことを伝えていた。そして今回配信された更新データVer.1.3.1にて、本来意図していない挙動が発生する問題が修正されているとのこと。また(不具合による)影響があった大会出場者に向けてメールで対応の案内が送付されたことが伝えられている。
「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2023 本戦」は、6月10日および11日に開催予定の決勝戦に進む選手を決める大会であった。条件としては、本大会での各カテゴリ上位64名に決勝の出場権が付与されることが伝えられている。さらに上位64名には「ポケモンワールドチャンピオンシップス2023」の出場権も付与。日本大会決勝だけでなく世界大会への出場も左右するきわめて重要な大会だったといえる。
そうした大会にて不具合が多発していた点については、出場者やユーザーからの批判が渦巻いていた。大混乱をきたした2023年の『ポケモン』ゲーム部門における公式大会。今回の更新データにて不具合が修正され、不具合による影響があった大会出場者に向けた対応が進められているかたちだ。
【UPDATE 2023/5/25 16:40】
ORICON NEWSは出場者向けに送信されたメールの内容を伝えている。メールでは、一度対戦した相手とレートが近しい場合に再度マッチングする点や、続けて戦うかどうかを選択できるメッセージが表示されず対戦中断ができない点、対戦中断ができないために自分が対戦した回数やレートの確認をおこなう画面が見られない点などが不具合であると説明されていたとのこと。
またメールでは、調査の結果および選出方法が公平ではない状態であることを踏まえ、今回の不具合修正を経た5月28日より本来の挙動でおこなわれる招待制インターネット大会を追加開催予定であると伝えられているそうだ。なお不具合が起きた5月17日の大会における上位64名の入賞者は決勝の出場権を変わらず保持。さらに「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2023」の決勝戦には64名の進出が予定されていたものの、追加開催される5月28日の大会での上位64名を追加し、計128名での開催が検討されているとのことだ。
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