先日のニンテンドー3DS本体アプデで、実は“改造ファームウェア”導入が封じられていた。改造者たちは阿鼻叫喚
任天堂は5月23日、ニンテンドー3DS向けにシステムバージョン11.17.0-50を配信開始した。本バージョンでは、ニンテンドー3DS向けの非公式ファームウェアが従来の方法で新たに導入できなくなっているという。海外メディアArs Technicaが伝えている。
ニンテンドー3DS向けのシステムバージョン11.17.0-5は、Newニンテンドー3DS/New 3DS LL/New 2DS LL/3DS/3DS LL/2DSを対象としている。公式パッチノートによると、システムの安定性や利便性の向上を目的としたアップデートだという。
Ars Technicaによると、本アップデート適用後のニンテンドー3DS(以下、3DS)では、カスタムファームウェア(CFW)の導入が難しくなっているという。CFWとは非公式に改造されたファームウェアのこと。導入の際には、3DS上の脆弱性を突いたさまざまな方法で本来のファームウェアを書き換える方法がとられているという。導入により、3DS上で通常では実行不可能なアプリやソフトウェアを実行可能になるとされている。CFWは自作ソフトウェア利用を目的とするユーザーのほか、海賊版のプレイを目的とする者にも用いられている側面がある。
今回、CFW利用者コミュニティにおいて、システムバージョン11.17.0-5導入後に新たにCFWをインストールできなくなっていることが報告されている。システムバージョン11.17.0-5により従来の脆弱性がなくなり、CFW導入に用いられていたいくつかの方法が封じられているそうだ。特に「New」シリーズではない旧型の3DSでは今後、一部を除く従来の方法でのCFW導入がふたたび可能になる見込みはないとのこと。
これを受けて、改造者コミュニティは阿鼻叫喚。アップデートをしないでという呼びかけや、改造版への対策に憤る人たちなど、SNSやDiscordサーバー上では改造コミュニティの混乱がうかがえる。どのような名目があっても、非公式改造が許されることはないだろう。
なおニンテンドー3DSシリーズおよびWii U向けのニンテンドーeショップは、3月28日午前9時をもってサービス終了となった。ダウンロード版のソフトや追加コンテンツ、利用権、ゲーム内アイテムの購入することはできなくなっている。なお購入済みのソフトや追加コンテンツの再ダウンロード、更新データのダウンロードは現状可能なものの、将来的にはこうした再ダウンロードなどのサービスの提供も終了する予定であると案内されている。
CFW導入時に用いられていた脆弱性をなくすシステムバージョン11.17.0-5の配信は、ダウンロード版ソフトの販売終了を受けた海賊版利用者をけん制する狙いもあるのかもしれない。