異常存在調査・収容ADV『アノマラスシティ』発表。“死に戻り”ながら世界線を巡り、終焉に立ち向かう


国内の個人ゲーム開発者である蒼木いつろ氏は5月20日、『アノマラスシティ』を正式発表した。PCを含むプラットフォームに向けてリリース予定。発表にあわせて、公式サイトやトレイラーなども公開されている。

『アノマラスシティ』は、何度も時間を巻き戻し世界終焉を阻止する、探索型アドベンチャーゲームである。本作は異常な存在やそれらを秘密裏に確保/収容/保護する団体にまつわる創作群「SCP財団」や、作家H.P.ラヴクラフトの著作を発端とする「クトゥルフ神話」の影響を受けているとのこと。本作の舞台は、怪奇的な特性をもつオブジェクト「異常存在」が偏在する世界。世界中の異常存在は、ある「機関」によって秘密裏に調査・収容され、存在を隠匿されてきた。

本作の主人公は、死ぬと時間を巻き戻す異常性をもった異常存在にして、機関の一員である。本作で主人公は、正体不明の異常存在による世界の終焉に相対。世界の終わりを防ぐべく、何度も時間を巻き戻して原因を究明することになる。キャラクターとしては、なぜか主人公に協力してくれる有翼の少女セラも登場。プレイヤーは彼女と共に世界線を渡り歩き、異常で不穏な世界に隠された真実を明かしていく。



主人公は機関の一員として街を探索し、異常存在の調査と収容をおこなう。探索では、主人公は街を駆け巡り、まずは情報を収集するようだ。動画やスクリーンショットを見る限りでは、主人公は探索や収容の過程で戦闘へ巻き込まれることもある。そうした場合には、主人公は探索スキルを使用。戦闘や交渉といった探索スキルによって、敵と対峙する。主人公には、体力/精神/AP/SPといったパラメーターが用意されており、AP/SPを消費してスキルを発動するようだ。探索スキルとしては、戦闘や交渉以外に、知識/隠密/技術なども存在。探索スキルの育成傾向によって、得られる情報や相手との関係性が変化し、物語の結末にも影響するという。

また主人公は、死ぬと時間が巻き戻る異常存在であるため、何度も命を落とし、始まりの日から調査をやり直す。主人公と天使のような翼をもつ異常存在の少女は、時間が巻き戻っても記憶を保持できる。本作で主人公は、何度も命を落とす中で記憶と成長を引き継ぎ、世界終焉の調査を進めていくわけだ。そのほかシステムとしては、収集した情報を整理するマインドマップも存在。マインドマップで、集めた断片的な事実を結びつけることで、異常存在の真実へと迫るそうだ。



本作を手がけているのは、国内の個人ゲーム開発者である蒼木いつろ氏だ。同氏の過去作としては、2021年にフリーゲーム『ワールドエンド・サマーデイズ』をリリース。プレスリリースによれば、同作では切なさや伏線の張り巡らされたシナリオ構成が評価されているそうだ。また同氏の作品としては、2021年にファンタジア文庫よりライトノベル「少女と血と勇者先生と」も発売されている。

本作『アノマラスシティ』では、物語体験と探索に重点が置かれている。戦闘要素はあるものの、時には戦わずに交渉するなども物語における選択の一部。物語に入り込み、選択によって可能性を模索する体験が描かれるという。また本作には、前作において評価された切なさやシナリオ構成といったテイストも継承されているそうだ。

アノマラスシティ』は、PCを含むプラットフォームに向けてリリース予定。公式サイトおよびトレイラーが公開されている。