『オーバーウォッチ2』のPvEモード、大幅に方針転換。“スキルツリー”による強化システムなど実装中止へ
『オーバーウォッチ2』のPvEモードに関する開発方針が、大きく変更されるようだ。開発者によれば、当初構想されていたPvEモードのスキルツリーによる強化システムなどの実装は中止されたそうだ。本作公式生放送にて開発者が明かしている。
『オーバーウォッチ2』はBlizzard Entertainmentが手がけるオンライン対戦FPSゲーム。基本プレイ無料にて提供されている。前作からの変更点として、既存ヒーローの調整および新ヒーローの追加などが実施。また、6対6から5対5へと対戦人数が変更されている。シーズン制での運営がおこなわれており、現在のシーズン4では新たなサポートヒーローであるライフウィーバーなどが登場した。
本作は2022年10月にPvPコンテンツを主軸に配信開始。当初は“早期アクセス”とされており、2023年内に本格的なPvEモードとなるストーリーミッションやヒーローミッションが実装される予定であった。またPvEモードについてもシーズン制での展開が計画されていた。しかし今回、開発者によりそうした計画が変更されたことが明かされている。
PvEモードの計画変更について明かしたのは、本作ゲームディレクターのAaron Keller氏ならびにエグゼクティブプロデューサーJared Neuss氏。両氏は本日5月17日に配信された公式生放送「Dev Update」に出演し、PvEモードに関する今後の展望を語っている。両氏によれば、2019年の本作発表時に示された当初のPvEモードの構想は現状の開発方針では実現できないという(関連記事)。
当初構想されていたPvEモードのうち、ヒーローミッションはリプレイ性のある常設モードとされていた。スキルツリーのカスタマイズによる強化要素が用意される見込みだったものの、こうしたシステムの開発は中止されているとのこと。一方でPvEモード自体は今後ライブサービスが継続していくなかで、ロードマップの一部として組み込まれている。当初の構想ではPvEモードは大々的にリリースされる予定であったのに対し、現在の計画ではさまざまなかたちで頻繁に実装される格好になるという。PvEモードは当初の構想よりも多様な体験として用意されるそうだ。
本作の今後の展望として、PvEモードは協力プレイ向けのPvEイベントのほか、1人用のPvEイベントも登場予定だという。シーズン5では多彩な新要素に加えて、バトルパスにストーリーにまつわる要素が実装予定。またシーズン6はこれまでで最大のシーズンとなり、ストーリー要素のある大ボリュームのPvEモードが登場するという。以降のシーズン7、8でも新要素に加えてストーリー要素がさまざまなかたちで実装予定。当初の計画から変更されたものの、PvEモードやストーリー要素は本作の一要素として今後実装されていくのだろう。
なお両氏はPvEモードにまつわる開発方針変更の背景も明かしている。当初の『オーバーウォッチ2』の構想は前作とは大きく異なるかたちであった。しかし前作を親しんだプレイヤーからの需要を考慮する中で、開発元は『オーバーウォッチ2』のリリースにあたって方針の決断を迫られたそうだ。2019年当初の構想のまま明確な開発終了時期を決めずに作業を続けるか、方針を変えて別のかたちでより早くリリースするか。結果として『オーバーウォッチ2』は先述のとおり、当初の計画より早いかたちでのリリースとなった。そして、これまで『オーバーウォッチ2』の開発・運営が継続され、開発元のゲーム開発方法に対する価値観も変化し、PvEモードの開発方針も変更に至ったとされている。
PvPとPvEの2軸で展開される予定であった『オーバーウォッチ2』。今回、 “早期アクセス”としてのリリースやその後の運営を経た方針変更などを踏まえて、開発元でPvEモードに関する大きな方針転換がおこなわれていたことが明かされた。スキルツリーによる強化要素などは日の目を見なかった一方で、PvEモードやストーリー要素自体は今後違ったかたちで本作に登場していくのだろう。
『オーバーウォッチ2』はPC/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/Nintendo Switch向けに基本プレイ無料で配信中だ。