『CoD』開発者、人気コンテナマップ「Shipment」実装は“完全なる事故”だったと明かす。16年前のミス、一大人気マップに
『Call of Duty』シリーズにて人気のマップのひとつである「Shipment」。同マップは初登場時、開発元の意図せぬかたちで実装された経緯があるという。海外メディアDexertoが伝えている。
「Shipment」は2007年発売の『Call of Duty 4: Modern Warfare』(以下、CoD4:MW)にて初登場したマップだ。フェンスで囲まれた小規模なエリアに、コンテナが配置された迷路のような構造となっている。これまで最新作『Call of Duty: Modern Warfare II』を含め複数のシリーズ作品に登場してきた人気マップだ。
一方で同マップは当初、『CoD4:MW』に収録される予定のない実験マップだったという。Dexertoのインタビューにて、2017年よりシリーズのマルチプレイヤーデザインディレクターを務めているGeoff Smith氏が明かしている。同氏は『CoD4:MW』にてマップデザイナーを担当していた人物だ。同氏によると、当時Shipmentは、当時としても懐かしの文化になりつつあった「画面分割によるマルチプレイ」向けのマップとして制作。『CoD4:MW』の開発中には社内テスト用のマップとして使用されていたそうだ。本来ユーザーが用いるプレイリストからは削除される予定だったものの、当時の担当者が削除を忘れたままゲームがローンチ。同氏によれば「完全なる事故だった(That was truly an accident)」という。
その後Geoff氏いわく「後戻りできなくなった」とのことで、Shipmentは削除されることなくプレイリストに残る結果となった。当時の環境ではアップデートなどで削除することが難しかったのかもしれない。またいちど実装した手前あえて取り下げることを避けた可能性もありそうだ。いずれにせよShipmentは実装されつづけ、プレイヤーに親しまれシリーズ屈指の人気マップとなった。
なおGeoff氏はShipmentを、過去20年続く『CoD』シリーズ中でのお気に入りマップとして挙げている。同氏はこれまでゲーム開発において小さな実験をいくつもおこなってきたといい、上手くいく場合と上手くいかない場合の理由はさまざまだったという。その中でも本マップは“悩みの種(bane of my existence)”だったといい、事故的に実装されたにもかかわらず人気マップになったという経緯からかなり印象に残る事例だったのだろう。
リリースから約16年の時を経て、意図せぬ実装であったことが明かされたShipment。担当者の確認漏れがなければ、当初の想定どおり内部テストマップとして役目を終えていた可能性もあるだろう。Shipmentはゲーム開発における、失敗が成功のもととなった事例のひとつといえそうだ。