Electronic Artsは5月12日、『Battlefield』シリーズの公式SNSアカウントを通じて声明を発表。開発スタッフへのハラスメント行為が増加しているとして、コミュニティに対して注意喚起をおこなった。
声明にてEAは、『Battlefield』シリーズに携わるすべての開発スタジオは、作品に対する建設的なフィードバックや批判については歓迎しているとコメント。コミュニティとの健全かつ開かれた対話を続けるために、開発チームやスタッフを中傷やハラスメント行為から守っているとした。ただ、最近になってそうした悪質な行為が増えてきたという。
具体的に何をきっかけに中傷やハラスメントが増えてきたのかについては言及されていない。『Battlefield』シリーズに関する最近の出来事というと、EAのCEO Andrew Wilson氏が先日開催された業績発表の場にて、同シリーズはEAの将来に向けて意味ある役割をもつとコメント。そして、『Battlefield 2042』が不評を受け困難な状況にあることにも言及しながら、EAは同シリーズをまったく新しいかたち(an entirely new way)で復活させることができると述べた(GamesRadar+)。この見解について、コミュニティの一部では同シリーズの行方について議論に発展しているが、あまり好意的には受け止められていないようだ(Reddit)。
SNSが普及した近年では、ゲーム開発者とユーザーが直接コミュニケーションを取ることが容易になっている。そうしたなか、中傷やハラスメント行為が開発者に直接向けられることも少なくない模様。『Apex Legends』を開発・運営するEA傘下Respawn Entertainmentは昨年、今回と同様の注意喚起メッセージを投稿していた(上のツイート)。
また、『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』の発売延期が発表された当時には、女性スタッフが強い性的ハラスメントを含む中傷を受け、開発元Santa Monica StudioのディレクターCory Barlog氏が怒りの声をあげた(関連記事)。このほか、『Destiny 2』の開発・運営元Bungieにおいては、SNS上でのユーザーとのコミュニケーションを意図的に減らして対処しているという(関連記事)。『Battlefield』シリーズに関しても、『Battlefield 2042』の発売後に開発者への誹謗中傷が相次ぎ、同作のsubredditのモデレーターがsubredditの一時閉鎖を検討するに至ったことがある。
今回、ゲーム開発者個人への悪質な行為がおこなわれていたことがふたたび明らかになったかたちだ。EAは、『Battlefield』のコミュニティにおいては、中傷やハラスメントをおこなう者に居場所はないとし、コミュニティガイドラインを参照するように呼びかけている。