パブリッシャーのFreedom Gamesは5月2日、『Ethyrial: Echoes of Yore』を配信開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)。本作配信直後にはサーバーの不具合などさまざまな問題が発生。Steamユーザーレビューでは不評が数多く投じられ、本稿執筆時点では好評率が31%に留まる「やや不評」ステータスとなっている。
『Ethyrial: Echoes of Yore』はオールドスクール・ハードコアMMORPGと謳われている作品だ。舞台となるのはファンタジー世界Irumesa。この世界では力に飢えた貴族たちが帝国評議会を追放し、争いを繰り広げていた。またこの地では邪悪なカルト教団も恐るべき悪事を企んでいるという。プレイヤーは危険の蔓延るIrumesaを冒険することになる。
本作ではゲーム開始時に、FightersやProtectorsなどといったクラスからひとつを選択してキャラを作成。ゲームプレイには見下ろし型視点が採用されており、通常攻撃のほかクールダウン時間の設定された各種スキルを発動しながら戦うシステムとなっている。協力プレイやPvPのほか、クラフト要素なども実装済あるいは実装予定だという。開発を手がけるGellyberry Studiosは小規模スタジオながら、さまざまな要素を盛り込んだ野心的なMMORPGを目指しているようだ。
なお本作は基本プレイ無料(Free-2-Play)とされているものの、無料で遊べるのはゲームの序盤マップ「The Solitary Isles」のみ。本編マップとなるIrumesa本土で遊ぶためには月額課金が必要となる。基本プランは月額10ドル(約1300円)となる。ほか、12か月分のサブスクリプションと複数の特典が盛り込まれた「Pathfinder Pack」が100ドル(約1万3000円)で販売中。さらに “永年サブスクリプション(Lifetime Subscription)”および各種特典付きの「Explorer Pack」が300ドル(約4万円)で販売されている。
本作は日本時間5月2日のリリースに際し、最大で同時接続プレイヤー数1815人を集めるスタートを切った(SteamDB)。一方でリリース時にはサーバーの不具合、ログインエラーといったさまざまな不具合が発生していたことが伝えられている。さらに技術的な問題により、ユーザーに二重に課金がおこなわれてしまうケースも見られたという。そうした状況を受けて開発元は、本作の再始動(Relaunch)を決定。日本時間5月13日にサーバーリセットによるワイプ(進捗リセット)がおこなわれた。なおワイプの実施にともなって、すでに月額課金していたユーザーには2週間の追加サブスクリプション権が付与されているとのこと。
波乱の船出となった本作は、Steamユーザーレビューにて本稿執筆時点で700件以上のうち好評が31%の「やや不評」ステータス。上記のようなさまざまな不具合に加えて、Irumesa本土のコンテンツが乏しい点や、敵ごとに対処法が変わらない単調な戦闘などが課題点として指摘されている。リリースを急ぎ過ぎたのではないかとの声も散見され、多くの不評が投じられている状況だ。一方でコンテンツが比較的豊富に用意されたThe Solitary Islesでのゲームプレイには、一定の評価も寄せられている。
本作では、サーバーリセットによるあわせて配信されたアップデートにて多岐にわたる不具合が修正されているといい、サーバーの安定性も向上しているとのこと。筆者のプレイした範囲では、アジアサーバーではサーバーの不具合などは見られず、サーバー参加の際の待ち時間もほとんどない安定した状態でプレイ可能であった。これからも開発元は指摘が寄せられている問題の修正に取り組んでいくそうで、本作をより良いものにしていきたいと伝えている。
リリース後さまざまな問題が発生し、不評が寄せられるスタートとなった『Ethyrial: Echoes of Yore』。「クラシックな本格派MMORPG」を目指した野心的な作品であり、月額も10ドルと現代では比較的強気の値段設定。ユーザーからの評価が持ち直し、今後サービスが続いていくかどうかも注目されるところだろう。
『Ethyrial: Echoes of Yore』はPC(Steam)向けに配信中。ゲーム序盤は無料でプレイ可能となっている。