「RPGツクール」シリーズの公式素材が、ほかのゲーム作成ツールでも使えるように。一部除いて利用条件がぐっと緩和


Gotcha Gotcha Gamesは5月8日、「RPG Maker Unite」を発売した。本作はゲームエンジンUnity上で動作する「RPG Maker(ツクール)」シリーズ最新作だ。本作の発売に際し、同シリーズの利用規約が改訂され、シリーズにおける同社素材の利用条件が大幅に緩和されている。


「RPG Maker(ツクール)」シリーズは、データベースの編集やイベントの制作機能などにより、プログラミングの知識がなくともRPGの制作が可能だと謳われている、ゲーム制作ツール群である。最新作となる「RPG Maker Unite」は、ゲームエンジンUnity上で動作する点が特徴。フルHD解像度に対応するほか、モバイルアプリへのネイティブ出力が可能。アウトラインエディタのスイッチラインでは、イベントとマップの関連性が視覚的に表現されるなど、従来のシリーズより制作を効率的に進められる機能も用意されている。アドオンやC#による「RPG Maker Unite」自体の改修も可能になっている。

このたび「RPG Maker Unite」の配信開始に際して、「RPG Maker(ツクール)」シリーズの利用規約が改訂された。従来の規約から刷新されてさまざまな条項が厳密に規定されている一方で、素材利用については利用可能な範囲が拡大している。

新たな利用規約における「素材利用条件」の附則によると、Gotcha Gotcha Games(以下、GGG)が定める正規の方法でGGG製品を購入したユーザーに限り、GGG製品の同社素材をGGG製品以外の自作プログラムおよび他社のゲーム作成ツールなどで作成した作品に利用できるそうだ。つまり、「RPG Maker(ツクール)」シリーズ製品を購入さえすれば、該当製品に収録されるGGG製素材を広範なゲームエンジンなどでの制作に流用できることになる。改訂前はGGGからの文書による承諾を得ずに、自作プログラム、および他社のゲーム作成ツールなどで作成した作品にデータを収録、利用することが一切禁止されていたため、利用条件が緩和されたかたちとなる。

またユーザーは、各GGG製品および『RPG Maker Unite』に含まれる素材を各GGG製品および『RPG Maker Unite』で利用可能。ただし、『RPG Maker Unite』の素材を各GGG製品で利用する場合は、『RPG Maker Unite』の利用規約の同意と遵守が条件となる。

そのほかユーザーはGGG製品の同社素材を、ユーザー自身のブログ、ポートフォリオ等で紹介する目的で、改変して利用することもできる。ただし、改変した素材を商用的に利用すること、同社素材の頒布等をおこなうことは認められていない。

なお、GGG製品または「ツクール」シリーズ他製品とは別に単独またはバンドルで頒布される素材の利用の条件は、本利用条件は適用されず、各々の素材の利用条件が適用される。ほか、「【附則】二次的利用禁止サンプルゲーム及び素材」に掲載される素材は、当該附則の利用条件が適用される。同附則においては、「RPG Maker(ツクール)」シリーズにおけるサンプルゲームごとの素材利用条件などが定められている。ようするに、単独・バンドル・二次的利用禁止サンプルゲームおよび素材については、今回の規制緩和とはまた別に利用条件を確認する必要があるということだろう。


3度の延期を経て5月8日に配信開始となった「RPG Maker Unite」。同ツールの配信開始にあわせてGGG製品の同社素材の利用可能範囲が拡大された格好だ。今回の改定により、ユーザーが好みのプログラムやツールでゲームを作成する際にもGGG製品の同社素材を用いることができるようになったかたち。そのほか作成したゲームの頒布条件などの詳細は改訂後の利用規約を確認されたい。

「RPG Maker Unite」は、Unity Asset Storeで発売中。通常価格は、99.99ドルとなっている。なお本作はSteam向けにも配信が予定されており、環境に適した改修をおこなった上で発売されるとのこと。。