人気FPS『Destiny 2』開発元、チート事業者相手の訴訟で“連勝”中。2日連続判決で約31億円の多額賠償命令を勝ち取る
『Destiny 2』を手がけるBungieが、チート事業者を相手取る訴訟にて“連勝”しているとのこと。同社は、複数の業者を相手取った訴訟を展開しており、ここ最近立て続けに相手側に賠償請求が下っている。TorrentFreakが伝えている。
Bungieは、米国を拠点とするデベロッパーだ。かつて人気FPSゲーム『Halo』シリーズ初期作品を世に出したことで知られ、現在はMMOFPS『Destiny 2』を開発・運営している。同社は、2021年より複数のチート開発・販売業者を相手取り訴訟を提起。このたび、相手事業者に対して賠償命令が立て続けに下っている。
まず、今年5月8日には、インドを拠点とするチート販売業者LaviCheatsおよびその代表に向けて判決が下った。LaviCheats側が出廷しなかったため、欠席裁判としてBungieが勝訴。ワシントン州西地区連邦地方裁判所の、Tana Lin合衆国下級判事により、LaviCheats側に総額約670万ドル(約9億円)の賠償命令が下されている(TorrentFreakによる資料PDF)。
そして翌日5月9日には、同じくワシントン州西地区連邦地方裁判所にて、カナダを拠点とするチート開発・供給業者であるElite Boss Techに判決が下った。こちらには、前述のTana Lin判事により総額約1617万ドル(約22億円)の賠償命令が下っている。
さらにその内訳としては「DMCA(デジタルミレニアム著作権法)違反による1353万ドル」「米国著作権法違反による30万ドル」「RICO法(違法性のある商行為を取り締まる法)違反による約200万ドル」「弁護士費用約28万ドルと、訴訟費用8万ドル」とされている(TorrentFreakによる資料PDF)。なお、こちらも欠席裁判によるBungie側の勝利となっている。
なお、Bungieはこのほかにも、先月にはチート開発・販売業者であるVeteranCheatsにも勝利。例のごとく欠席裁判として、この業者に向けて約1200万ドル(約16億円)の賠償命令が下っている。さらに遡れば、2月にもチート販売業者AimJunkiesを相手に430万ドル(約5億8000万円)の賠償命令を得ている(GamesIndustry.biz)。
多額の賠償金が実際に滞りなくBungieに向けて支払われるかは気になる点だ。しかし、いずれにせよチートツールを扱う事業者にとって、追及の手を緩めないBungieの姿勢は一定の抑止力にもなることだろう。
『Destiny 2』はPC(Steam/Epic Gamesストア)およびPlayStation 4/PlayStation 5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに基本プレイ無料で配信中だ。