Steamの便利な新機能を『CS:GO』で“悪用”するアイデアが浮上。“鼻くそ照準”の代用品として

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Valveは4月28日、Steamクライアントのベータ版に向けてオーバーレイ刷新などの新機能を配信開始した。『Counter-Strike: Global Offensive(以下、CS:GO)』において、 そうした機能を“悪用”するアイデアが浮上している。

*『CS:GO』


『CS:GO』は、ValveがHidden Path Entertainmentと共同開発し、2012年にリリースされたタクティカルシューターだ。そのPC版はSteamにて絶大な人気を誇っており、2018年以降は基本プレイ無料にて提供されている。同作のルーツである『Counter-Strike』は元々『Half-Life』用Modとして開発されており、2000年にValveより公式作品としてリリースされた。歴史ある対戦FPSシリーズだ。

Steamでは4月28日より、クライアントのベータ機能としてオーバーレイ機能の刷新が実施。ゲーム内で開けるメニューの機能が充実し、ブラウザで表示したウェブページを、ゲーム画面上に半透明でピン留めするといったことも可能になった。「その気になればゲーム画面上で映画を見れる」といったユニークな機能となっている。そんな新オーバーレイを使って『CS:GO』でズルをおこなうアイデアが出現した。

Steamベータ機能配信と同日、『CS:GO』のRedditコミュニティにとあるスクリーンショットが投稿された。同投稿では、半透明オーバーレイを利用して画面中央に「*」の記号を表示している。本作ではスナイパーライフルを使用中は、画面中央の腰だめ照準が非表示となる仕様だ。また、スコープを覗かない限りは弾があらぬ方向に飛ぶ。一方で、スコープを覗いた際のスナイパーライフル着弾点は、本来腰だめ照準がある画面中央となっている。つまり、画面中央になにか「代用照準」を表示させておけば、「スコープを覗かずして的に照準を合わせる」といった行為も可能となる。

前述の投稿は、Steamの新オーバーレイ機能を使ってそうした「代用照準」を描画させるアイデアだろう。こうした行為は、ゲーム外の機能を使ってアドバンテージを得ているため、一種のチート行為とも呼べる。しかし、同スレッドに寄せられたユーザーコメントはこのアイデアを面白がったり、懐かしさを表明する投稿が中心のようだ。

*初代『Counter-Strike』


というのも、「代用照準」を利用する行為やその是非についての議論は、初代『Counter-Strike』から20年以上にわたって繰り広げられ、下火になった経緯がある。昔から発案・実行されてきたアイデアとしては「透明テープを画面中央に張り、マジックで照準を書く」「画面の中央に鼻くそをつける」「画面中央に照準を表示するツールを使う」といった方法がある。また、「画面の中央に貼る照準シール」といった商品すら販売されているほか、ASUSといったメーカーは自社製モニターに「照準表示機能」を実装していたこともあった。そうした行為や機能は、ハードウェアチートではないかとして、長らく批判や議論の対象となっていたわけだ。

ただし、そうした議論はいつ頃からかほとんど話題にのぼらなくなっていた。というのも、画面の中央に照準を表示して得られるアドバンテージは、さほど大きくないからだ。『Counter-Strike』シリーズ自体で、代用照準の有利さが下がるようなバランス調整も実施されてきたほか、習熟すれば代用照準なしでもかなりの精度で事前照準が可能。そもそも「鼻くそを画面の真ん中につける」といったズルを防ぐこと自体が難しいため、コミュニティのなかでの問題意識も風化していった背景がある。そのため、Steamの機能を使った今回の“ズル”も、「鼻くそ・テープ・ツール使用のほかに選択肢が出てきた」といった軽さで受け止められているのだろう。

*『Counter-Strike 2』


なお、『Counter-Strike』シリーズからの影響も強い『VALORANT』では、スナイパーライフル使用時にも腰だめ照準が表示できる仕様となっている。現在開発/テスト中の新作『Counter-Strike 2』ではそういった仕様は現状実装されていなさそうなものの、さまざまな革新的システムが実装されていくなかで、変化も起きるかもしれない。

『Counter-Strike: Global Offensive』は、PC(Steam)にて基本プレイ無料にて配信中だ。 『Counter-Strike 2』は、PC(Steam)向けに限定テストを実施しており、今年の夏にリリース予定。

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