Valveは4月28日、Steamクライアントのベータ版に向けて、新機能などを実装するアップデートを配信開始した。Steamユーザーは誰でもベータテストに参加し、新機能を試すことができる。
今回のSteamクライアントベータのアップデートでは、まずゲーム内オーバーレイが全面的にリニューアルされた。ゲーム内オーバーレイでは、フレンドリストやSteamチャット、グループ/ゲーム招待、スクリーンショットの管理など、Steamの機能をオーバーレイ表示させて利用できる。デフォルトではShift+Tabキーにて表示させられる。
アップデートにより、オーバーレイのユーザーインターフェースが刷新され、新たに「ツールバー」が追加。ツールバーを通じて、フレンドとのチャットや実績の進行状況、ガイド、掲示板、ブラウザーなど、ゲーム中に必要となる情報にアクセスでき、表示したいコンテンツを自分で選んで設定することが可能だ。なおツールバーには、アイコンビューとリストビューの2種類の表示スタイルが用意され、設定で切り替えることができる。
オーバーレイ表示できるコンテンツには、「ゲーム概要」と「メモアプリ」が追加された。ゲーム概要には、実績の進行状況や、同じゲームをプレイ中のフレンド、トップガイド、ニュースなどが表示され、そのゲームを最後にプレイしてから何があったのかが一目で確認できる。
一方のメモアプリは、プレイしているゲームのメモをリッチテキスト形式で書き留めることができるシンプルなアプリだ。ゲームごとに複数のメモを作成し、保存しておくことが可能。ログインしているほかのPCにも同期され、近くSteam Deckでも対応予定とのこと。なおメモアプリ自体はオフラインモードでも使用できる。
さらに、オーバーレイからウィンドウをピン留めできる機能も実装された。ウィンドウ表示のコンテンツに限定されるが、プレイ中のゲーム画面の上に表示させておくことができ、透明度の調整も可能。上述のメモアプリを表示させたり、そのゲームのガイドや掲示板を常にチェックできるようにしたりといった使い方が考えられる。またWebブラウザにも対応し、Valveは「本当に必要なら、ゲームをしながら映画を見ることもできます」とコメントしている。
また、Steamクライアントの通知機能がより充実し、より便利に。トレイビューは新しい通知に限定され、履歴ビューは「すべて表示」ページからアクセスできる。また、通知の 緑色のボタンは、本当に新しいものが入ってきた場合にのみ点灯するようになっている。
スクリーンショットマネージャーについても、アップローダーが刷新。応答性が高くなったほか、スクリーンショットの選択が大小のサムネイルから可能に。さらに、ゲームごとではなく日付の新しい順に表示したり、オンラインとローカルの両方のスクリーンショットを管理したりできるようになった。
このほか、「ユーザーの目につかないが大きな変更」として、SteamデスクトップクライアントやBig Pictureモード、Steam Deckの間でのコードの共有方法に関連した変更も実施。これにより、今後の新機能の実装とイテレーションをより迅速におこなえるとされている。ビジュアルや使いやすさの改善も目標に掲げて取り組んでいるとのことだ。
今回発表されたSteamクライアントの新機能は、ベータテストを経たのちにすべてのユーザーに提供される。時期は未定。いち早く試したい方は、Steamの設定画面の「アカウント」タブにある「ベータへの参加」にアクセスし、ドロップダウンリストから「Steam Beta Update」を選択すれば導入することができる。